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2013.12.10 (Tue)

創業百年の和装履物店が主催 – 浅草の魅力と和の楽しさを発信する<あさくさ和装塾>

大正元年創業の辻屋本店では、和に関する講座やイベントを定期的に行っています。どこかの偉い先生が教える、かしこまった和装の決まりごとではなく、浅草の粋な和の遊び心を知ってもらいたい、という主旨で企画。なかでも2010年にスタートした<あさくさ和装塾>は、毎年テーマを決めてシリーズで開催しています。回を重ねるごとに参加者も増え、今では毎回キャンセル待ちが出るほどの盛況となっています。

毎回、老舗専門店の店主から粋な着こなしを学ぶ

■2010年あさくさ和装塾<浅草の老舗と旨いものシリーズ>
1月30日(土) 「下駄屋と帯屋と天ぷら屋で憩う」
3月27日(土) 「下駄屋と組ひも屋と蕎麦屋で憩う」
5月29日(土) 「下駄屋とつげ櫛屋そして居酒屋」
7月24日(土) 「下駄屋と手ぬぐい屋とうなぎ屋で」
9月25日(土) 「下駄屋とアンティーク着物屋とどぜう屋」
11月27日(土) 「下駄屋とかつら屋と洋食屋」

1年目は、和装の専門店をご紹介。浅草は観光の町というイメージが強いですが、じつは和装関係のお店が多い町です。しかも老舗の専門店でありながら、どの店も敷居も値段も高くない!

織りの帯「帯源」にはじまり、組紐「桐生堂」、つげ櫛「よのや」、アンティーク着物「胡蝶」、かつら「コマチヘア」と全6回シリーズで、各店の店主や女将のお話を聞き、その後、参加者がお店を見学。講座の後は着物姿で浅草の町をぶらぶら♪懇親会は地元の人行きつけのお店でおいしいものをいただく、スペシャルな1日。
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■2011年あさくさ和装塾<胡蝶特別講演>
10月1日(土) 「歌舞伎や芝居にみる江戸の粋」

この年は東日本大震災のためシリーズ企画はお休み。日本舞踊家の宗山流家元・胡蝶さんに、特別講演をお願いしました。歌舞伎養成所出身の胡蝶さんは、歌舞伎や日舞に精通していると同時に、アンティーク着物のコレクターとしても知る人ぞ知る存在。講座では、芝居や舞踊の世界で粋とされる着物についてのお話しでした。
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スカイツリー周辺の職人さんの実演とお話

■2012年あさくさ和装塾<職人さんに聞いてみよう!シリーズ>
2月4日(土) 「錺簪(かざりかんざし)と市松人形」。
6月2日(土) 「江戸木箸と江戸切子」
12月1日(土) 「江戸友禅職人の手しごと」

2012年に再開した<あさくさ和装塾>のテーマは「職人さんに聞いてみよう!」。この年開業した東京スカイツリー周辺は伝統工芸に携わる職人さんの多い地域。毎回、職人さんに来ていただき、お話を聞きながら実演も見せてもらおう、という内容でした。

“錺簪(かざりかんざし)”の三浦孝之さん、“市松人形”の藤村紫雲さん、“江戸木箸”の竹田勝彦さん、“江戸切子”の山田真照さん、“江戸友禅”の加藤孝之さんが登場しました。そして懇親会は浅草の隠れた名店で、職人さんといっしょに乾杯!
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今年は着物と地酒で日本列島を巡る!

■2013年あさくさ和装塾<着物で巡る日本列島 北から南シリーズ>
4月13日(土)「新潟編〜小千谷縮に魅せられ、金升に酔う〜」
6月22日(土)「福岡編〜博多織に魅せられ、旭菊に酔う〜」
8月3日(土)「京都編〜京絞りに魅せられ、京都の地酒に酔う〜」
10月26日(土)「山形編〜草木染めに魅せられ、東光に酔う〜」

今年2013年は「着物で巡る日本列島 北から南」。日本列島の北から南まで、各地方で作られている織物や染め物を、土地の自然や風土、伝統文化と共にご紹介するシリーズを開催中。コメンテーターには、男の着物の第一人者、早坂伊織さん。 早坂さんは各産地の着物の作り手と交流があり、ほかでは聞けないようなおもしろいエピソードが盛りだくさん。

後半は、着物産地で作られている地酒と、旬の食材を使ったお料理を味わいます。これまで新潟篇の“小千谷縮”、福岡篇の“博多織”、京都篇の“京絞り”、山形篇の“草木染”と続き、最終回は12月21日(土)に開催予定の茨城篇。特産品の“結城紬”と地酒をご紹介する予定。そしてこのシリーズからUstreamでの生中継も行い、会場まで来られない遠方の和装ファンにも当日のようすを伝えています。
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和装好きにとって浅草は、着物で歩きたい町でもあります。京都や奈良のように古い建物は残っていませんが、いつもお祭りのような賑わいと、親しみやすい店や町の人々が、どこか昔の日本のを思い出させるのかもしれません。

同時に和装好きは、着物を着る理由が欲しいのです。<あさくさ和装塾>の参加者は、初心者から上級者まで着物歴も年齢層も幅広く、ほとんどがリピーターになっているそうです。着物に興味が出てきた、粋な着こなしに憧れる、そんな方は、着物で浅草を訪れるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人/提供メディア

Rie Tomita

Rie Tomita 東東京・プロジェクト 和文化研究員。10数年間、夫の仕事で東京以外の土地を転々としたのち生まれ育った浅草に戻ってきたので、東東京の魅力、残念な部分を冷静に見られるようになった。和装をはじめ、和文化関係のイベントを自身で主催、発信している。和装履物店 あさくさ辻屋本店の代表。

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