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2014.03.15 (Sat)

産業廃棄物のガラスがアート作品に変身! ジュエリーデザイナー・長谷川典子さんインタビュー

東京メトロ日比谷線の仲御徒町駅から徒歩3分の場所に、ジュエリーデザイナーの長谷川典子さんが代表を務める「有限会社テン・フォレスト」があります。「テン・フォレスト」は、台東デザイナーズビレッジの第一期卒業ブランド。琥珀(こはく)や珊瑚などの有機素材を使用したオリジナルのジュエリーを制作するほか、銀粘土などを用いるジュエリー制作や彫金の教室を開催しています。

現在、長谷川さんは、廃材を使った新しい作品づくりに挑戦しているそう。「一体どんな作品?」と興味を惹かれて、「テン・フォレスト」にお邪魔してきました。

「ジュエリーデザイナーとして何を目指すか」を考えるために入居した台東デザイナーズビレッジ

長谷川さんは、ジュエリーメーカーに勤めたあと、1997年に御徒町にて「ジュエリー・TEN」という個人ブランドを立ち上げました。なぜ御徒町を拠点に選んだのか伺ってみたところ、「ジュエリーの街である御徒町には、仕入れる場所も加工する場所も、制作をする上で必要な全ての場所がそろっています。フットワークよく動くことができるのが、御徒町を拠点に選んだ理由です。」と答えが返ってきました。

その後、2003年に「有限会社テン・フォレスト」を設立。2004年に台東デザイナーズビレッジに入居しました。会社名「テン・フォレスト」の由来は、長谷川さんの名前である「典子」の“典”と、様々なものが育つイメージの“森=フォレスト”を掛け合わせたものだそう。2007年にデザビレを卒業した長谷川さんは、会社を御徒町3丁目に移し、現在まで同じ場所を拠点にジュエリーデザイナーとして活動してきました。

素材との偶然の出会いと、驚きの化学反応

「偶然通りかかったビルの改装工事の現場に、砕いたガラスが積まれていたんです。工事をしていた方に、『そのガラス分けてください!』と声をかけたら、『どうせ処分するものだから』と、分けてもらうことができました。」

そう言って長谷川さんが見せてくれたのは、四角い缶いっぱいに入ったガラスの破片。青白いガラスの内側には、細かいひび割れが入っています。少し力を入れると、ひび割れに沿って簡単に砕けてしまうガラスの正体は、強化ガラス。再加工ができないため、砕いて産業廃棄物するしか廃棄方法がないそうです。長谷川さんはこのガラスを「クラッシュガラス」と名付け、利用方法を考え始めました。

長谷川さんが工事現場で分けてもらったクラッシュガラス
長谷川さんが工事現場で分けてもらったクラッシュガラス

分けてもらったガラスの利用方法を模索していた時、ガラスに銀粘土を貼りつけて焼くとガラスの上下二面が琥珀に似た色に変化することを発見した長谷川さん。さらに、焼成する時間や温度によって、ガラスが青みを帯びることもあることも発見しました。

「制作するジュエリーの素材として琥珀を扱っていたので、ガラスを焼いた時に琥珀色になった時は驚きました。銀と反応した部分だけ色が変わるのも面白いところですね。」

クラッシュガラスと銀粘土を焼成して制作したジュエリー。本物の琥珀と間違えるような色合いが面白い!
クラッシュガラスと銀粘土を焼成して制作したジュエリー。本物の琥珀と間違えるような色合いが面白い!

工夫次第で、廃材が魅力的なアート作品になる!

クラッシュガラスを使用した長谷川さんの作品の中でも、特にユニークなのが、「クリスマスツリー」。小さなガラスの破片を積んで数箇所に銀粘土を貼り、焼成した作品です。銀粘土を貼っても、ガラスの断面は変色しません。そのため、側面から見るのと上から見るのとでは色味が異なる不思議な作品に仕上がっています。ツリーの内側にLEDライトを入れると、クリスタルのように光り輝いてとてもきれい!

クラッシュガラスを積みあげて作ったクリスマスツリーは、見る角度によって表情を変える。
クラッシュガラスを積みあげて作ったクリスマスツリーは、見る角度によって表情を変える。

「クラッシュガラスの作品を通じて伝えたいのは、一度は捨てられようとしていたものが、工夫次第で魅力的な作品として生まれ変わるということです。まだ気がついていない宝石のような素材が、日常の中にたくさん転がっているはず。大人のリサイクルを楽しみましょう!」(長谷川さん)

LEDライトで内側からツリーを照らすと、まるでクリスタルのような輝きを放つ
LEDライトで内側からツリーを照らすと、まるでクリスタルのような輝きを放つ。

この記事を書いた人/提供メディア

Yui Sato

東東京のニュースタイルカルチャー研究員。下町の伝統と今風の文化をミックスした作品・商品や、それらを作り出す人々に強く惹かれます。
初めての1人暮らしの地・森下に住み始めて4年。東東京は、深く関わるほど味わい深く、愛着を感じるエリアだと実感する日々を送っています。ふだん書いているのは、ミニシアター系映画の紹介など。夢は、ミニシアターのない東東京で、定期的に映画の上映会を開催すること!

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