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2014.04.30 (Wed)

浅草の小さなレンタル着物屋さんから国際友好を「衣匠 弥姫乎(みいこ)」

国際問題で揺れるここ最近の日本。複雑な事情があるとはいえ、国と国のいがみ合いが良いこととは思えません。文化交流や観光までも影響があるのは悲しいことです。とはいえ政治がギクシャクしていても、日本のサブカルチャーやストリートファッションが世界的に注目を集めているのは事実です。

2020年の東京オリンピック開催が決まり、東京に訪れる外国人観光客はますます増えていくはず。ショッピング、食べ物、建築物、エンタテインメントなど、興味の対象はいろいろですが、伝統文化に興味を持つ外国人観光客も少なくありません。浅草を散策している着物グループが外国語を話している場面に出くわすことも、最近かなり増えてきました。

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浅草、新仲見世商店街に並行する雷門柳小路という細い通りに「弥姫乎(みいこ)」という小さなブティックがあります。真紅を基調にした店内に並ぶ、着物地を使った洋服やバッグは、すべて手作りのオリジナル。デザイナーでありオーナーの飯塚美鈴さんは昔から着物が大好きで、アンティークの着物を集めていたことから、着物のレンタルも始めることを思いついたそうです。

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日本のファッションに憧れ

「少し前まで、京都や鎌倉、川越には着物レンタルのお店がたくさんあるのに浅草にはほんの数軒なかったので、もっと気軽に着物を楽しめるきっかけを作りたくて始めました」。ウェブサイトに日本語、英語に加えて中国語サイトも開設したところ、台湾、香港、マレーシア、タイなどアジアからの観光客がかなり増えたそうです。アジア各国では日本のファッション雑誌が大人気で、20~30代の女の子達は日本にすごく憧れを持っているのです。アジア系の女の子達に人気なのは、ピンクや白、黄色などの派手めな柄の着物や浴衣だそうです。日本のファッションといえば、‘カワイイ’イメージなのでしょうね。

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もちろん日本人もウェルカム! 飯塚さんコレクションの貴重なアンティーク着物を、このお値段で借りられるのは、かなりお得です。必要な小物も一緒に貸してくれて、しかも着付けもしてもらえます。またご希望の方は、別料金でプロカメラマンによる写真撮影も受け付けています。

ビール片手に国際交流

飯塚さんは「弥姫乎」の向かい側でカフェ&バー「鈴楼」も経営されています。遊郭をイメージした内装のお店には、夜ごとさまざまな職業、年齢の客層で賑わっていますが、外国人のお客さんが多いのもこのお店の特徴です。ヨーロッパ、アメリカ、アジア各地から日本に旅行に来るたび「鈴楼」を訪れる‘常連外国人客’も少なくありません。着物だけでなく、日本の文化についてビール片手に盛り上がる国際交流が、夜ごと繰り広げられています。

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この記事を書いた人/提供メディア

Rie Tomita

Rie Tomita 東東京・プロジェクト 和文化研究員。10数年間、夫の仕事で東京以外の土地を転々としたのち生まれ育った浅草に戻ってきたので、東東京の魅力、残念な部分を冷静に見られるようになった。和装をはじめ、和文化関係のイベントを自身で主催、発信している。和装履物店 あさくさ辻屋本店の代表。

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