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2014.08.13 (Wed)

暮らしに寄り添う納涼の逸品「江戸すだれ 田中製簾所」@台東区千束<夏を涼しくする逸品 Vol.2>

こんにちは!「ものづくり&町工場」追求ライターの新井です! 夏もお盆も真っ只中。暑い夏を少しでも涼しくしたいと思いませんか? そんな方のために8月はヒガシ東京ならではの「夏を涼しくする逸品」をVol.1からVol.4で週替りでご紹介! Vol.2は台東区千束に工房を構える「田中製簾所」の江戸すだれをご紹介します。

写真は左上から時計回りに、外掛けすだれ、内掛けすだれ、応用すだれ、小物すだれ。

暮らしと一体になって初めて輝くすだれの魅力

田中製簾所は明治初期に開業し、今もすだれの制作を続ける老舗の製作所。お客さんのオーダーにより、制作されるすだれの種類は、大きく分けて4種類。外掛けすだれ、内掛けすだれ、応用すだれ、小物すだれになります。

田中製簾所のすだれを一品撮影させてもらいたく、お願いした所、「商品だけを撮影して、魅力が伝わるかなぁ」との一言をいただきました。そこでお借りしたのが冒頭の4つの写真です。

そう。すだれはすだれだけを見て魅力を感じる品物ではなく、住まいや部屋、暮らしと一体になって初めて光る逸品です。オリジナルのすだれをお客さんのために作成する、熟年の職人の技術に支えられた、生活に彩りを加える存在、それがすだれの本来の姿、魅力なのです。

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田中製簾所の外観。入口に掛かる簾には「すだれ」の文字。2階窓にもすだれが掛かる

売り物ではなく、使う物を作る。それを支える職人の技術

取材で伺った話の中で、とても印象的な言葉がありました。それは、「売り物を作っているわけじゃない。使う物を作っています」という言葉です。田中製簾所では、お客さんの下にすだれを届けてからも仕事が続きます。例えば外掛けすだれを納品して、お客さんが使う中で壊れてしまったら捨てるのではなく、持ってきてもらって修理をする。長く、生活空間の一部として使ってもらうこと、使ってもらう体験こそ田中製簾所がお客さんに届けている価値なのです。

長く使ってもらえるすだれにするため、竹や葦(よし)、御形(ごぎょう)といった材料も選び抜かれた素材。素材農家から貰い受けた材料を、均一に整え、選定し、すだれに耐え得る物に厳選する過程は、外の職人さんとも手を取り合って行うそうです。

普段ので生活で、コンクリートやアスファルトで暮らすことが多くなってしまいましたが、改めてすだれのような涼やかな商品を生活に取り組むのはいかがでしょうか? コースター等の小物であれば500円〜、オーダー可能のようです(お手頃な価格ですよね!)。一瞬の冷たさではなく、長く付き合っていける心地良い風のような納涼を感じることが、きっとできます!

8月のおすすめ【夏を涼しくする逸品】記事アーカイブ

Vol.1:背筋がゾクッ!お寺で幽霊画ばかりの展示会。さらには怪談の落語まで!

詳細情報

名称株式会社 田中製簾所
住所東京都台東区千束1-18-6
URL

http://www.handicrafts.co.jp

その他

この記事を書いた人/提供メディア

新井 優佑

インタビュアー/ノンフィクションライター。WEBマガジンやオウンドメディアの運用、寄稿をしています。出版社でスポーツ雑誌編集とモバイルサイト運用を担当したのち、独立しました。2014年は、手仕事からデジタルファブリケーションまで、ものづくりの記事を多く作成しました。1983年東京生まれ。

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