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2014.11.03 (Mon)

あをば荘「継承する建築と墨東アート」〈建築/コミュニティスペースVol.1前編〉

今回の特集「建築/コミュニティスペース」では、ある特定の個人がとても強く「やりたい」と願い、それを実現・運営しているスペースを4組ご紹介します。
「こういう風にあの人たちがやっているのなら、自分もスペースをつくれるかもしれない。」そんな一つの希望になる特集になれればと思います。

vol.1では、墨田区にあるギャラリー兼住居「あをば荘」にフォーカス。1Fがギャラリースペースではあるものの、単にギャラリーという言葉でくくるだけではとらえられない魅力が詰まった素敵な場所。そんなあをば荘の存在意義やビジョンにせまるインタビューです。

あをば荘は2階が住居になっており、そこに住まう安藤達朗さんと佐藤史治さんを中心に7人のメンバーで運営しています。まずは、あをば荘ってどんなところ? と安藤さんにお話をうかがいました。

あをば荘はギャラリー?

「『あをば荘ってどういうことをやっているんですか?』とたずねられたら、ギャラリーですと答えています。が、貸しギャラリーではなく、あをば荘メンバーがディレクションした企画しかやりませんというスタンスなので、一般的なギャラリーとは少し違いますね。

メンバーの好きな企画をやるために使っているので、作家さんの作品を紹介して販売してという場には必ずしもなっていなくて。それよりも、どこで発表したらいいかわからないんだけど、なにか見せたいぞ、やってみたいぞという人を選んでいます」

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ーー安藤さんは演劇のフィールドで活躍されていますが、他のメンバーはどのようなことをされているのでしょうか?

「メンバーの専門はバラバラ。作家もいますが、美術教育やキュレーションをやっている者もいます。なので展示も企画によってバラバラです。それぞれが好きなことを、美術や演劇などのジャンルにこだわらずにやっているというスペースです」

アート&リノベーションの街に惹かれて

ーー以前この物件はおせんべい屋さんで、15年間空き屋だったとのこと。この場所を選んだのは、どのような経緯があるのでしょうか?

「『墨東まち見世』でこのエリアを知って、案内してもらったら変な人がいっぱいいて(笑)これはヤバイな、おもしろいなと思ったのがきっかけです」

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【「墨東まち見世」とは2009年〜2013年に行われた、墨東エリアを舞台にしたアートプロジェクト。アーティストや住民による様々なプロジェクトが生まれ、アートのネットワークを築き上げた】

「建築家の吉川晃司さんという方がいまして、このエリアを紹介していただきました。それでメンバーを集めて自分たちでリノベーションを行って。メンバーに建築専門の人がいなかったので吉川さんたちの建築ユニット『スタジオまめちょうだい』に協力していただきながら完成させましたね」

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【2Fに向かう階段は壁を取っ払って明るくなっている】

その吉川さん自身、プレス工場をリノベーションした「froat」というシェアアトリエ/ギャラリーに参加しています。以前、東東京マガジンで紹介した山内敦史さんやムームーコーヒー&サテライトキッチンと同様に、近隣エリアのリノベーション物件は枚挙にいとまがありません。

確かに新しく建て直すよりもリーズナブル。しかし、ただ安いからという選択だけではなく、その建築またその土地に根差した記憶のようなものを継承していく姿勢を感じさせます。

あをば荘としてのご近所付き合い

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あをば荘外観。両隣は理容室、印刷屋さんという長屋です。近隣の方たちとのコミュニケ—ションについてうかがいました。

「はじめ近所の方々は、ここはなんなんだ? と僕らにではなく隣の理容室に聞いていたりして、不審がられていました(笑)。理容室の方はこのあたりのルールを教えてくれたり、外のネットにできたゴーヤをくれたりと、とても良くしていただいています。長屋ですし、住宅街の中にあるので、近所の方々との付き合いを無視してやっていくことはできません。

特に、ものをもらったりあげたりというかたちのコミュニケーションはとても大切だと考えています。表現や文化でお返ししたいという気持ちを表すために、最初に『わたしたちがおすそわけできること』というテーマで展示を行いました」

安藤さんは引っ越してきたばかりのときにゴーヤをもらって、「こんなに簡単にものをくれるんだ」と驚いたといいます。はじめは異分子だったあをば荘が、徐々に街の人々に受け入れられ、溶け込んでいく。建物だけを利用するのではなく、きちんとそこに住んでいるからこそ深くコミュニケーションがとれるのだと思います。

後編はあをば荘の展示と今後のビジョンについて!

後編では、あをば荘の取り組みについてより深く突っ込んでいきたいと思います。乞うご期待!

11月特集【建築/コミュニティスペース】記事アーカイブ

Vol.0:11月特集をはじめる前に。自分のスペースを始める時代がきた!

詳細情報

名称あをば荘
住所〒131-0044 東京都墨田区文花1-12-12
URL

http://awobasoh.com

その他

この記事を書いた人/提供メディア

本多 祐介

ローカルシティー研究員。地方都市のこれからの姿に興味津々。東東京も地方都市のひとつととらえると、今まで見えなかったものが浮かび上がってくると思います。古と新しさが同居するこのエリアに深く関わって魅力を伝えていきたいです。モノ好き、山好き、ビール好き。

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