ホーム > インタビュー > スノードームに魅せられて。お好み焼き&もんじゃ「いこい」店主・伊達ヒデユキさん@台東区<恋におちる vol.4後編>

2015.03.02 (Mon)

スノードームに魅せられて。お好み焼き&もんじゃ「いこい」店主・伊達ヒデユキさん@台東区<恋におちる vol.4後編>

2月といえば、バレンタイン。それにちなんで2月の東東京マガジンの特集は「恋に落ちる。」をテーマとします。

恋といっても、今回の恋は男女の甘酸っぱい恋ではなくて、ユニークな視点で色々な物や事にのめり込んでいる偏愛(=恋している)を持つ方々を取り上げたいと思っています。

何かをとてつもなく好き・のめり込むということは、情報が氾濫しトレンドがどんどん移り変わる現代において、心のよりどころにもなりえ、自分のアイデンティティを感じる必要な能力のように感じます。

今回の特集では取材させていただく方々の恋がどんな恋なのか、どんなキッカケでその恋がはじまったのか、恋するためのヒントなどを様々な4組に伺っていき、読者に自分らしい生き方のヒントをご提供できればと思っています。

vol.4は、お好み焼き&もんじゃ店「いこい」の店主・伊達ヒデユキさんがご登場。前篇では、昭和レトロと銭湯への思いを語っていただきましたが、後編では、本題のスノードームへの恋に隠された秘密を解き明かしていきます。

小さな世界をのぞき込んだら、嫌なことを忘れられるんです

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――今回の特集が「恋」なんですけど…、率直に聞いてみていいですか。今、恋していますか?

うーん…。もうこの歳だから流石に色恋沙汰はないですね(笑)。あっても言えないですよ。
でも、ものへの恋という意味では、スノードームにずっと恋していますよ。

――実はその答えを待っていました(笑)。スノードームに恋したきっかけをお聞きしたいです。

よく取材を受けているのですが、メディア的には、僕自身が昔からものを集めるマニアってことになっています。マニア=オタク、オタク=暗いというイメージがあるので、スノードームみたいにロマンチックなものを集めて家に飾れば、お姉ちゃんを家に招くきっかけになるかなって(笑)。

でも、本当のことを言うと、今から20年前に離婚したのがきっかけ。その大変なときに、たまたま1つ持っていたスノードームを見ていたら、この中に入ってひとりでひっそり暮らしたいなって思ったんです。誰にも邪魔されることなく、この小さな世界に静かに平和に暮らしていきたいって。それから、昭和のおもちゃから路線変更してスノードームを収集し出して、今では3000個以上は持ってますね。

――たった1つのスノードームから、スノードームへの恋が始まったんですね。ちなみに、それはどんなスノードームだったんですか?

18歳の時に、鴨川シ―ワールドで買ったスノードームです。専門学校のクラスの好きな女の子にプレゼントしたかったんですよ。あの子に渡したら僕になびいてくれるかなって、そんなヨコシマな気持ち(笑)。いまだに持っているってことは、その時、あげられなかったんだろうね…。今だったら平気で渡せるんだけど(笑)。

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――スノードームの魅力を教えてください。

スノードームを眺めて、「この世界はどうなっているのかな」って、イマジネーションを高められるところ。あとは、感情移入ができるところですね。新橋のサラリーマンがお酒を飲んで、ストレスを発散させるのと同じなんです。嫌なことを忘れたいときに、その世界に感情移入できるので、気分転換にもなるんですよね。スノードームは、旅先のお土産にも多いので、人によっては楽しい旅を思い出すものだったりしますけど、僕にとっては願望が詰まったものです。

――1つのモノをずっと好きでいられるのは、大変なことだと思うんです。

自分でコレクションしているうちに、オリジナルのものを作りたくなっちゃって、今ではデザインまでやっています。なんでもスノードームにできちゃうから、考えていたらきりがないんです。新しいものを次から次へと出さないと気が済まなくなって、もう歯止めが効かないくらい。自分が欲しくなるような、チンドン屋や力士など土着的なものを作っていますね。

――最後に、今後の展望をお願いします。

東京オリンピックに向けて外国人観光客が増えていくと思うので、日本の魅力を伝えられるようなスノードームを作っていきたいですね。

あと、スノードームはオシャレなものではなくて、手軽で身近なものだと思うんです。どんな人の生活にも寄り添ってくれるような、そんな存在になっていけたら素敵だなって。

誰かの心にそっと寄り添うアイテムが身近にあれば、日常がもっと楽しく明るいものになる、そんな気がしてなりませんでした。

2月特集:恋におちる

<Vol.1前編>文字に思いを込める 活版印刷工房 FIRST UNIVERSAL PRESS@台東区

<Vol.1後編>文字に思いを込める 活版印刷工房 FIRST UNIVERSAL PRESS@台東区

<Vol.2 前編>スカイツリーに恋してる!写真家 石川明宏さん

<Vol.2 後編>スカイツリーに恋してる!写真家 石川明宏さん

<Vol.3 前編>家電を愛する男 DESIGN UNDERGROUND@足立区

<Vol.3 後編>家電を愛する男 DESIGN UNDERGROUND@足立区

‎<Vol.4 前編>スノードームに魅せられて。お好み焼き&もんじゃ「いこい」店主・伊達ヒデユキさん@台東区

‎<Vol.4 後編>スノードームに魅せられて。お好み焼き&もんじゃ「いこい」店主・伊達ヒデユキさん@台東区

詳細情報

名称いこい
住所東京都台東区根岸 3-11-5
URL

http://www.coolrash.com/ikoi/

その他

この記事を書いた人/提供メディア

フナマキ

布団大好きライター。本当は、朝からお友達とお出かけしたり、小洒落たエッグベネディクトを食べたり、早朝の澄み切った空気をスーハーしたいです。東東京に住み始めて1年。いまだに友達がひとりもできません。東東京バンザイ!

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