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2015.06.02 (Tue)

職人の街「カチクラ」の盛り上がりにはワケがある Vol.1

台東区は中小のものづくりを手掛ける職人が集まる「ものづくりの街」。なかでも南部の御徒町〜蔵前〜浅草橋にかけての2km四方の地域は、「徒蔵(カチクラ)」エリアとして近年注目を集めています。

先日開催された第7回モノマチ、題して「モノマチセブン」のレポートを通して、この街が持つ奥深い魅力と盛り上がりのカギに迫ります!

工房や問屋など250店以上が参加

モノマチセブンの参加店マップ。工房を中心にした197店舗に加えて、飲食店57店舗の計254店舗を掲載しています。1日ではとても回りれません!

モノマチセブンの参加店マップ。工房を中心にした197店舗に加えて、飲食店57店舗の計254店舗を掲載しています。1日ではとても回りれません!

5月22日から24日の3日間、地域の職人工房や問屋、メーカー、店舗などが参加して「ものづくりの街」を発信するイベント、それがモノマチです。普段見ることが難しい工房での作業の様子や、見どころ満載のツアー、下町グルメなどユニークな企画が盛りだくさん!

普段は見ることができない伝統の技や職人さんの貴重なお話が聞ける「職人見学ツアー」。あっという間に定員枠が埋まってしまう人気企画です

普段は見ることができない伝統の技や職人さんの貴重なお話が聞ける「職人見学ツアー」。あっという間に定員枠が埋まってしまう人気企画です

若手クリエイターの拠点から街に広がる

そもそもこのエリアは、古くは江戸時代から多種多様なものづくり関連の機能が集積してきました。比較的小規模な手工業や製造業、それらの流通を担う問屋や卸売業が集まる土地柄なのです。

しかしバブル経済期には、拡大のために工場の郊外移転が進むなど、次第に空洞化が進みました。子どもの数が減って、小学校の統廃合に拍車がかかります。廃校になった旧小島小学校をリノベーションしたファッション専門の創業支援施設「台東デザイナーズビレッジ(デザビレ)」が立ち上がったのが2004年のことでした。

台東デザイナーズビレッジ。2003年に廃校になった小学校の校舎を活用した、ファッションデザイナーの卵たちが集まる台東区立の創業支援施設です

台東デザイナーズビレッジ。2003年に廃校になった小学校の校舎を活用した、ファッションデザイナーの卵たちが集まる台東区立の創業支援施設です

現在は19組のクリエイターが入居しています。これまでに60組以上が卒業し、そのうちの約半数は台東区内に事務所やショップを構えているそうです

現在は19組のクリエイターが入居しています。これまでに60組以上が卒業し、そのうちの約半数は台東区内に事務所やショップを構えているそうです


このデザビレの施設公開に併せて、街なかの工房も一緒に盛り上げよう!と周辺の店主たちが手弁当で始めたイベントが「モノマチ」なのです。

教室が各作家さんのアトリエ・工房になっています

教室が各作家さんのアトリエ・工房になっています

アクセサリーや革製品、服飾などファッション関連のクリエイターが、独立起業を目指して活動に励んでいます

アクセサリーや革製品、服飾などファッション関連のクリエイターが、独立起業を目指して活動に励んでいます

デザビレを卒業したブランドが集まって作品を販売。イベントならではの掘り出し物もあるそうで、初日朝早くから大にぎわい!

デザビレを卒業したブランドが集まって作品を販売。イベントならではの掘り出し物もあるそうで、初日朝早くから大にぎわい!

デザビレの姉妹施設「浅草ものづくり工房」からも、入居クリエイターたちが参加。作品を展示・販売していました

デザビレの姉妹施設「浅草ものづくり工房」からも、入居クリエイターたちが参加。作品を展示・販売していました

【Vol.2に続く】

詳細情報

名称モノマチセブン(第7回モノマチ)
住所東京都台東区南部(御徒町〜蔵前〜浅草橋にかけての2km四方)
URL

http://monomachi.com/

その他

この記事を書いた人/提供メディア

樋口 トモユキ

愛知県名古屋市で生まれ育ち、東京・東中野現住。大都会東京を横断して、東側と西側を行き来しております。人々が集まり営む都市というものに対する飽くなき好奇心を胸に、日々是精進。

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