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2015.12.25 (Fri)

若手革職人が立ち上がる! プロも通う養成所を開講@台東区蔵前<後編>

一人前になるには長い修行期間が必要──。手仕事を中心とする職人の世界に共通するイメージが、若者を遠ざけています。革小物の生産現場でも職人不足が深刻な問題となっているそう。そのピンチを救おうと、1984年生まれ、現在31歳の若手職人である池田耕平さんが立ち上がりました。

池田さんはレザーブランド「PRO-MENER(プロムネ)」を制作する「Atelier K. I.」のオーナー。2014年にオープンした「クラマエビル」の3階に入居しています。自身のブランドを持ち、幅広い知識と高度な技術が必要な「サンプル職人」として活動する傍ら、職人不足のピンチを救う取り組みとして、半年前の2015年6月、アトリエの一角に「職人養成所」を開講しました。後編では素材へのこだわりや、養成所のその先の目標まで話が深まりました。

──今は職人は外注が多いのでしょうか?

池田さん 国内では、自社に職人を抱えているメーカーはそんなに多くないと思います。一方、海外の一流ブランドは自社の職人を育てる学校も持っていて、職人を育てることから量産まで、全て自社で行っています。これはブランドの質を高めるために重要なことなんです。ブランドへの共通認識を持つことと、技術の統一など外注では補いきれない部分が出てしまうからです。なので現在の養成所は通過点で、PRO-MENERの職人を育てる学校を作ることを目標としています。

──職人と一緒にブランドを育てて行くということですね。池田さんがご自身のブランドにこだわっている事はなんですか?

池田さん いい素材でシンプルなものを丁寧に作る事にこだわっています。PRO-MENERではコードバンという最高級革で作る財布が人気なのですが、このコードバンは独特の硬質な素材感と、使用することで輝きを増すツヤ感から、「キングオブレザー」、「革のダイヤモンド」と称されています。きめ細かく、非常になめらかでしっとりとした質感が特徴です。一頭の馬から採れるコードバンの量はごくわずかで、お尻の部分の分厚い革の層に守られた厚さ2mm程度のコードバン繊維を丁寧に裏側から削りだし、手間暇をかけて仕上げられているため、入手が非常に困難な素材と言われています。

Atelier K. I.

美しいコードバンの革小物

──とっても美しいですね。ツヤツヤで色にも深みがあります。

池田さん 一般的にはコードバンというと、表面に塗料みたいのを塗って仕上げている顔料仕上げのタイプが多いのです、PRO-MENERの商品は水染めコードバンで作っています。色に深みがあり、触り心地もコードバン本来の素材感を感じていただけると思います。

──色々こだわっているのが楽しそうです。

池田さん 楽しいですよ。良い素材に出会えた時はワクワクします。逆に良い素材が手に入らないと僕は作りません。プロなので当然ですが、丁寧に作ることも楽しんでいます。養成所では技術だけではなく、いい素材の知識も深めてもらいたいと考えています。

Atelier K. I.

プロムネの小物いろいろ

──池田さんのように、素材にも技術にもこだわる職人をどんどん育てたいというわけですね。

池田さん 最初に話した通り、早い人だったら数年で一人前になれるんです。職人になるのに長年の修行が必要だというイメージを変えるのも、僕たち若手の役目だと思っています。

蔵前の近所の様々な業界の若手職人さんたちとも交流があって活気があります。僕たちはこれを一過性のものではなく、若い人たちに継承していかなければならないという想いがあります。そのために職人だけでなく、学校を作って高度な技術を教えられる先生も育てなければなりません。

全国的にものづくりが注目されている今、そして職人が高齢化しているので若い人にはチャンスです! 今、僕の養成所に来ている人たちは、仕事が終わった後に学びに来ています。1人1人丁寧に教えているので、興味がある人は一度アトリエに遊びに来てください!

Atelier K. I.

Atelier K. I.の養成所で学ぶ作業工程の一例

* * *

目先の目標だけではなく、未来の革業界も見据えた大きな目標を持つ池田さん。これからの活躍に注目です。

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若手革職人が立ち上がる! プロも通う養成所を開講@台東区蔵前<前編>

詳細情報

名称■Atelier K. I.
住所〒111-0051 東京都台東区蔵前4-20-12 クラマエビル3B
URL

http://atelier-k-i.jimdo.com/

その他

この記事を書いた人/提供メディア

ヨーコ

フリーのデザイナー。時々ライター。
重機とお酒と廃墟と猫と猛禽類と深海魚が好き。
浅草在住。

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