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2017.02.01 (Wed)

愛着が持てる街でドラマチックな職住遊近接ライフを!

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まちづくり会社ドラマチック
代表社員 今村ひろゆき さん

シェアアトリエやシェアオフィスといった拠点を開発し、街の持つ魅力を生かしたイベントやプロジェクトを展開する今村ひろゆきさん。個性的なスペースやイベントを通して、ユニークな人と人、人と街のつながりを育み、閉じないことで面白さが継続するコミュニティをつくっています。

社名どおりドラマチックに街を変えつつある今村さんに、これまで手がけた事業や、事業を成長させるための工夫についてお話を伺いました。

街の人が「自分事」に感じられるまちづくり

──これまで手掛けてきた事業について教えてください。

独立してから、シェアアトリエ「インストールの途中だビル」(品川区戸越)や「reboot」(台東区下谷)、イベントスペース「SOOO dramatic!」(同)など、既存の建物を活用したネットワークづくりに力を入れ、浅草ものづくりフェスティバル「A-ROUND(エーラウンド)」などの企画を手がけてきました。

業務は大まかには、場を運営して利用料をいただく自主事業と、企業や行政からご依頼いただくパンフレットやウェブサイトの制作、場づくりのアドバイザーなど、デザイン制作やコンサルティングの仕事を主にした外部委託事業に分かれます。

──創業時期やそのきっかけについてお聞かせください。

2013年に完全独立するまで、2010年からまちづくりコンサルタント会社の社員、ドラマチックの社長と二足のわらじを履いていました。前者で手がける商業施設開発のような「大きなまちづくり」は企業が関わるので費用をかけられる分、早く多額の投資を回収する必要があります。その結果、無難で同じような街ができていくことに、疑問を抱いていました。

私が可能性を感じていたのは、市民主導の「小さなまちづくり」。粗削りだけど、歴史や住む人の思いを直に感じられるし、街の人たちも自分事(じぶんごと)として関わってくれて楽しいんです。ただ、大小のまちづくりそれぞれに利点があり、互いによい影響を与えあえると思ったので、週の2日は会社に勤務、3日は「小さなまちづくり」を追求するという働き方を会社に提案して認めてもらいました。

そうして2010年に立ち上げたのが「LwP asakusa(ループアサクサ)」というシェアスペースです。4年間イベントを頻繁に開き、今につながるネットワークの多くが、この場所で築かれたと思います。

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2010年から4年間活動を続けた「LwP asakusa」

──創業に当たって、どんな準備をしましたか?

創業前から、ネットワークづくりは重要だと考えていました。コンサルタント会社時代、私を含めた5人の幹事が、テーマに合いそうな面白い人をそれぞれ連れてくる食事会を月1回開いていたのも、その一環です。自分たちが興味ある分野の、生の声を聴きたかったんです。今も各方面で頑張っている人たちと出会うことができました。

──創業後苦労したことと、その時どんな支援を受けられたかを教えてください。

最初は、とにかく儲からなかったですね(苦笑)。固定収入は会社で週2日働く分だけ。貯金を切り崩して暮らす苦しい時期、「MaGaRi」という、使われていないスキマ空間を間借りするサービスをiSB公共未来塾のビジネスコンペで提案し、優秀賞をいただけたんです。きちんとした組織からお墨付きをもらえたことで、精神的にも金銭的にも後押ししてもらいました。

記録が信頼を生み、蓄積されるノウハウが未来をつくる

──事業成長のために、工夫していることや気を付けていることはありますか?

力を入れていたのは、インターネットでの発信です。自分たちの取り組みを知ってもらうためにも、記録の発信が重要だと考えていました。実際「インストールの途中だビル」や「reboot」は、新聞記事やウェブ検索で私たちを知って、問い合わせてくださった方と一緒に進めた事業です。

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2012年4月、東急大井町線・都営浅草線の中延駅から徒歩1分の場所にオープンした「インストールの途中だビル」。およそ25組40人のアーティストが集います

お声がけから始まるプロジェクトは、互いの思いが強いので速く実現できます。「この人たちと組みたい、任せてみたい」と思ってもらえる信頼感を築くことは大切ですね。

その上でも重要なのが、リスクをなるべく減らす方法を考えること。家賃の発生をどちらがどれだけ持つのかなどビジネスモデルづくりには十分に気を付けました。それで事業が継続できるか否かが決まりますから。

──この先、事業を拡大するために必要なことはなんでしょうか。

会社という形を保つとなると、コストを考える必要があります。小さなスペースであっても、お金、人員、時間といったコストは共通してかかるので、収益を確保するためには、ある程度規模を大きくする必要が出てくると思っています。

あとは、今までの知見を生かせる仕事ができたらいいですね。先日、これまでスペース運営で培ったノウハウを評価してもらい、千葉県某市の公民館の運営の一部を委託されることが決まったんです。

──ついに、本当の公民館を手がけられるんですね!(笑)

そうなんですよ(笑)「SOOO dramatic!」のキャッチフレーズが「ワクワクみつかる、現代の公民館」なのですが、多様な人が集まりづらくなったいまの公民館を、街の担い手を育て、近隣の人が自分のやりたいことを見つけられる場に発展させるお手伝いをしたいと思っています。

街への愛着も増す「職住遊近接」

──最後に、今村さんが考える「東東京で創業する魅力」ってなんですか?

一般的には、働く場所と遊ぶ場所、暮らす場所が別のことが多いですよね。東東京なら、全て同じエリアでできる可能性が高く、それは意外なメリットになると思います。移動時間や、それに伴う疲労が減って、24時間をフルに使える。街への愛着も増し、関係も密になる。オンとオフという概念なく暮らしたい方には向いていると思います。

身の回りには社長やフリーで仕事をされている方など、事業における決定権を持っている人が多い気がしますね。そういった方は時間も自分の裁量で使えるので、話が想像以上に速く進むことが多いのも、魅力だと思います。


まちづくり会社ドラマチック
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クリエイター向けアトリエ・オフィス・ショップの拠点開発・不動産再生を手掛け、拠点の立地する街の資産に注目したイベントやプロジェクトを展開。一連の活動を通じ地域を耕し、街にユニークな人材や活動が根づく土壌をつくっている。
・はじめるアトリエ“reboot” http://www.reboot-iriya.info/
・イベントスペース“SOOO dramatic!” http://sooo-dramatic.com/
・共同アトリエ“インストールの途中だビル” http://install-bldg.weebly.com/
・街のスキマを間借りできるサービス“MaGaRi” http://ma-ga-ri.com/
・東東京パーソンのためのタウンページ“東東京マガジン” https://higashi-tokyo.com/

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