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2017.03.22 (Wed)

顔の見える関係性がビジネスを育てる KFCクリエイティブスタジオが目指す“オープンな交流ができる施設”

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国際ファションセンター株式会社
産業支援部長 木村 茂樹さん(写真左)
KFCインキュベーションマネージャー 川端 政子さん

都営大江戸線両国駅前にそびえ立つ「国際ファッションセンタービル」。このビルの10階に、創業間もない企業やクリエイターが入居するインキュベーション施設があるのを知っていますか? 9つのスタジオと交流スペースからなる「KFCクリエイティブスタジオ」には、現在、8社の企業が入居しています。

この施設を2015年に卒業し、現在は入居者をサポートするマネージャーとして施設運営に関わっている川端政子さんは「オープンな雰囲気によって入居者同士の積極的な交流が生まれています。私も同時期に入居していたメンバーとは、いまだにビジネス上で交流がありますよ」と話します。

どうやら入居時の横のつながりが、その後のビジネスにも影響しているようす。施設内で実際にどのような取り組みが行われているのか、川端さんと、国際ファッションセンター株式会社(以下、KFC)の木村茂樹部長にお話を伺いました。

入居することで得られる企業としての信頼感

──インキュベーション施設「KFCクリエイティブスタジオ」の設立経緯をお聞かせください。

木村茂樹さん(以下、木村さん) 1991年に、墨田区にある繊維関係の中小企業を支援する目的の下、墨田区と東京都、国、民間企業を株主とする第3セクターとしてKFCが設立されました。その後、創業者を墨田区に呼び寄せたいということで、区とKFCが音頭を取って2000年に設立したのが、クリエイティブスタジオ運営協議会です。この協議会が管理・運営するのが「KFCクリエイティブスタジオ」(以下、KFC)であり、創業5年未満の企業を対象に支援を行っています。入居審査に合格すると、最長で3年間の入居が可能です。

──入居すると毎月どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

木村さん 入居時には敷金として47万4000円がかかります。毎月の賃料15万8000円については運営協議会が負担し、入居者には管理費として月6万5000円(税別)をお支払いいただきます。スタジオ1室につき25平米ほどの面積があるので、同じ広さの物件を借りることを考えれば、かなり負担が少ないと思いますよ。

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▲スタジオの広さは25平米。周辺相場の半分以下で借りることができます

──創業者にとって固定費が抑えられるのはうれしいですね。費用面のほかに、入居することで得られるメリットはありますか。

木村さん 起業して5年未満の時期は、企業としての信用を高めるのがなかなか難しいですよね。KFCは、入居審査時に事業計画の提出やプレゼンを実施するなどハードルを高めに設定しています。そのため、ここに入居できたという事実が、信用度合いを高めてくれます。

川端政子さん(以下、川端さん) もう一つのメリットは、入居者同士の交流が盛んなことです。以前は長屋的で、それぞれがスタジオ内で仕事をして、たまに会えば挨拶をする程度の関係でした。そうした状況を打破するために、KFCでは2013年に交流スペースを作りました。気軽に集まれるスペースができたことで、これまでなかったような連携の機会が生まれています。

「街の企業を知る」セミナーを入居者が自発的に開催!

──入居者はファッション関係の企業やクリエイターが多いのでしょうか。

木村さん 設立当初はファッション関係の企業やクリエイターをメインに募集していましたが、ファッションで創業しようとする人が少なくなってきた世情もあり、現在は幅広い業種を対象にしています。2017年1月現在、8社が入居していますが、そのうちファッション関係の企業は4社です。残り4社の中には、アニメーション制作や保育園を経営している企業などもあり、バラエティに富んでいます。

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▲幅広い業種が入居しています

川端さん さまざまな業種の人が入居したことで、交流スペースの活用の仕方も変わってきました。入居者が主体となって、ビジネスを発展させるためのイベントを開催するようになったのは、ここ数年の大きな変化ですね。昨年(2016年)からは、墨田区で面白い取り組みをしている企業の方に、月替わりでセミナーを開催していただくようなことも行っています。


▲交流スペースでのセミナーの様子

──KFCインキュベーションマネージャーとして、川端さんが特に大事にしていることは何でしょうか。

川端さん いつでも相談できる雰囲気づくりをすることを心掛けています。創業したての頃は、ビジネスプランを思い描いても、それを収益に結びつける仕組みが確立できていない場合が多いです。相談しやすい雰囲気があれば、悩みの時期を乗り越えたほかの入居者が、「自分も通ってきた道だからこうした方がいいよ」などとアドバイスしやすいですよね。

もちろん、専門的な知識が必要な場合は、税理士や会計士の方を紹介することもあります。技術的に困ったことがあれば、職人さんにアポイントをとって入居者とつなぐようなサポートも手掛けています。


▲スタジオは9室あります。記事掲載時点では満室

──最後に、東東京で創業する魅力について、考えをお聞かせください。

木村さん 東東京には、繊維関係をはじめ、高度な技術を持ったさまざまなメーカーがあります。墨田区は特に、企業同士の横の連携を深めていこうという意識が成熟しているエリアなので、新参の企業でも自ら求めれば老舗とつながるチャンスを得られます。地場の企業と連携できる土壌があるのは、これからの創業者にとってメリットになるはずですよ。

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KFCクリエイティブスタジオ
ファッション関連産業が集積する東京・両国に、次世代を担う起業家およびベンチャー企業を支援する目的でつくられたインキュベーション施設。2001年の開設以来、いくつもの新しい企業を支援してきました。新しいことにチャレンジしたい方、ものづくりの街墨田を起点にビジネスを始めたい方など、意欲あふれるクリエイティブな方の活躍の場となっています。
〒130-0015 東京都墨田区横網1-6-1
電話:03-5610-5800
http://www.kfc-fashion.jp/

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イッサイガッサイ 東東京モノづくりHUB

Eastside Goodside (イッサイガッサイ) 東東京モノづくりHUBとは「CREATION IN EAST-TOKYO」を合言葉に、モノづくりが盛んな東東京の「ヒト」と「モノ」と「バ」をつなげて創業者をサポートし、東東京をワクワクする地域に変える創業支援ネットワークです。
https://eastside-goodside.tokyo/

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