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2017.09.06 (Wed)

「何かを始めたいなら4人チームを組むといい」エンパブリック流、明日の仕事のつくり方

写真:エンパブリック 広石 拓司さん
株式会社エンパブリック代表取締役
広石 拓司さん

創業セミナーや起業講座に参加したときに、「あなたのビジネスプランは?」と聞かれて戸惑ったことはありませんか? 360度隙のないビジネスプランを描かないと……と考えて、最初の一歩を踏み出せずにいる人も多いかもしれません。

ところが、地域・組織で活躍する人を育成するための場づくりやワークショップを実践しているempublic(エンパブリック)代表の広石拓司さんは、「今の時代、ビジネスプランは後付けでもいい」ときっぱり。「色々な思いを持った人や問題意識を持った人には、とにかく動き出してほしい」と話す広石さんに、エンパブリックの拠点である根津スタジオでお話を聞きました。

下町の小さな店から成功の秘訣を学ぼう

──まず、エンパブリックの事業内容について教えてください。

大きく分けて3つの事業があります。

1つ目は、行政と一緒に進める事業です。地域課題を解決できる人材の育成に向けて、行政でも創業支援講座などを開催していますが、なかなか実際のアクションにつながらないのが現状です。僕たちは行政のニーズを聞いて、自ら動ける人を増やすサポートをしています。たとえば文京区では「文京ソーシャルイノベーション」という取り組みを行い、4年間で70ほどのプロジェクトが立ち上がりました。

2つ目は、企業向けのサポートです。M&A(合併・買収)でグループ会社になった企業などが、うまく連携していくために、お互いの企業文化を理解する場づくりを行っています。最近は、地域と一緒に活動を始めたいという会社も増えてきたので、地域と企業をつなげるサポートもしていますね。

3つ目は、ここ根津スタジオで行っている事業です。自分でビジネスを始めたり、場づくりをしたりしたいと考えている人向けのワークショップを開催しています。どの事業でも、自らアクションを起こせる人を育てるのが大きなテーマですね。

──創業支援や人材サポートを手掛ける会社は、都内でいえば中央区や港区に多いイメージがありますが、なぜ根津を拠点に?

根津や谷中の界隈には、自分の価値観やスタイルを形にしたいという気持ちで運営している小さな店がたくさんあります。そういう店って、趣味でやっているように見えて、実はすごく戦略的なところがあるんですよ。たとえば、街のなかで自分の価値観に共感してくれる人とコミュニケーションを取りながら、応援の輪を広げていくとかね。エンパブリックのワークショップに来る人たちにも、このあたりで成功している店の話をぜひ聞いて学んでほしいと思い、根津に事務所を構えることを決めました。

写真:エンパブリック 広石 拓司さん

ワークショップの風景

最初はビジネスの輪郭がなかなか見えなかった

──エンパブリックが提供しているのは「形のないサービス」ですが、創業当時、苦労したことはありますか?

試行錯誤の連続でしたね。創業したての頃は、単発でファシリテーションの基礎などを教えていましたが、講座を一度受けただけでは、自分で活動を始めようという人は出てきません。

なかなかビジネスの形が見えないなか、杉並区から「すぎなみ大人塾」というプロジェクトに関わってみませんか、とお声がけいただいたことが転機になりました。「自分でワークショップを作ろう」というようなテーマで、年18回のプログラムを運営させてもらったことで、初めて事業のイメージが湧いたんです。

──というと?

年間を通したプログラムを実施したことにより、行政や企業と数カ月や1年単位の長期スパンで契約を結ぶことが、自分のビジネスにとって有効かもしれないと気付きました。

講座に通う人がトライアンドエラーを繰り返しながらスキルアップしていき、最後は自分でプロジェクトを立ち上げられるようになる──。パッケージの形にすることで、「自ら立ち上がる人を増やす」という目標に近付けることが分かりました。

──なるほど。講座を受ける側の視点に立てば、1年間通うことによって、協力し合える仲間が見つかるかもしれないというメリットもありますね。

そうですね。創業したい人は、「世の中にこういうことが足りない」、「こういうことが必要じゃないか」という思いを強く持っている半面、事業イメージはフワッとしていて心許ない……という場合が多いんじゃないでしょうか。

周りの人と議論することで、だんだん形が見えてくるのだと思います。事業体としては1人でもいいけど、一緒に考えてくれる人や、協力してくれる仲間は必要ですね。

写真:エンパブリック 広石 拓司さん

エンパブリックで制作した情報誌や学びを深めるためのツール

「できること」を掛け合わせて思いをカタチにする

──最近は、子育て中のママが起業したり、働くママが集まってイベントを開催したりするパターンも多い気がします。広石さんが主催するセミナーでも女性の参加者は増えていますか?

いま創業講座に来るのは、女性の方が多いんですよ。講座に来る女性のなかでも、周りにヘルプを求めるのがうまい人は、事業やプロジェクトをどんどん立ち上げていますね。

女性に限った話ではありませんが、ヘルプを求めるのが苦手な人は、4人のチームをつくるといいですよ。4人だとテーブルを囲めるし、皆の顔が視野に入るから議論もしやすいですよね。それから、自分たちのやりたいことじゃなくて「できること」を考えるのが大切です。なぜなら、役割が明確になった方が人は動きやすいからです。自分ができることと、周りの人ができることを組み合わせて、実現したいことを一緒に形にしていけばいいと思います。

写真:エンパブリック 広石 拓司さん

根津スタジオに置かれていたフレームには「実現現実」の文字が

──チームを組むことによって、アイデアも広がりそうです! 最後に、東東京で創業をめざす人に向けてアドバイスをお願いします。

東東京は、小さな商店や企業が多く、地域参入へのハードルが低いです。人や地域とのつながりが増えれば、何かを始めるときに応援してもらえる可能性も高くなります。東東京の特長である「人の縁」を、ぜひ自らの活動に生かしてください。

写真:エンパブリック 広石 拓司さん
株式会社エンパブリック
2008年創業。「思いのある誰もが動き出せ、新しい仕事を生み出せる社会」を目指し、地域・組織の人たちが知恵と力を持ち寄る場づくり、仕事づくりに取り組むためのツール、プログラムを提供。社長の広石氏は、拠点である根津スタジオ、文京ソーシャルイノベーション・プラットフォーム、すぎなみ地域大学、企業のコミュニティ力向上プログラムなどにおいて、年200本のワークショップを実施している。

東京都文京区弥生2丁目12-3 2階(事務所)・3階(根津スタジオ)
電話:03-6303-3195
URL:http://empublic.jp/

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