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2018.03.14 (Wed)

柔らかな「ウレタン」で緩衝材から雑貨まであらゆるモノを製作、サトウ化成

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有限会社サトウ化成
代表取締役 佐藤 憲司さん

ウレタンやスポンジ“など”の素材を扱い、型抜き加工“など”の技術を駆使して、主に緩衝材やパッキン“など”の製造を行う有限会社サトウ化成。3つの「など」を強調したのは、その幅広さが想像以上だからです。

代表の佐藤憲司さん曰く、扱う素材は「ゴムや樹脂も含めて、金属以外のありとあらゆるもの」に及び、加工方法も機械制御の切削や両面シール加工、フッ素・ガラスコーティングと多彩。さらに多品種・小ロット生産が基本のため、案件次第で高級感にこだわったケースや雑貨を製作することも。今後は、「クリエイターやデザイナーとのコラボを通して、モノづくりの幅をさらに広げたいですね」と気さくに笑います。

事務所には試作した製品や子ども向けワークショップの作品などがずらり。写真のコスプレ用兜もウレタン製

事務所には試作した製品や子ども向けワークショップの作品などがずらり。写真のコスプレ用兜もウレタン製

──これまで、クリエイターや他社からモノづくりに関する相談を受けたことがありますか?

うちは1個の試作からお仕事を受けているので、そういう実績は数えきれないですね。

例えば、海外に電子機器を送るための搬送用の緩衝材。部分的に弱いところがあるという話だったので、「であれば、この部分に空間を設けて保護しましょう」とアイデアを出して形にしていきました。

あと最近増えているのが、ジュエリー用の緩衝材です。これも単にモノを覆うだけでなく「魅せる」ことも意識して、ウレタンに光沢のある生地を貼り、スリットを入れれば、指輪やネックレスがより美しく見えます。

──相談を受けて終わりではなく、プラスアルファのアイデアを提案されるわけですね。

緩衝材って、そこに入れるものはまちまちですよね。定型のモノづくりではないので、まず問い合わせやご相談を受けることからすべてが始まります。

ウレタンに詳しい方はなかなかいないと思いますが、僕らは「この材料を○○すれば、□□ができる」という発想を色々持っています。なので、「きちんと保護したい」「デザインにもこだわりたい」「軽さを生かしたい」「値段を重視したい」などの要望に合わせて、必ず提案するようにしていますね。

加工は型抜きだけでなく、機械制御で立体的に切り削ることもできる

加工は型抜きだけでなく、機械制御で立体的に切り削ることもできる

──加工方法や扱う素材は、どのようなものがあるのでしょうか?

刃を付けた鋼を折り曲げ加工した「ビク型」を製作して型抜きを行うのがメインですが、当社では数年前から「カッティングプロッター」という型不要の機械も導入していまして。2Dデータをベースに、機械制御でウレタンを立体的にカット・切削ができる体制も整えました。素材は、ウレタン以外にも、ゴム・樹脂・革などあらゆるものを扱っていて、カラーバリエーションも多彩です。

また、ホームセンターなどで売っているウレタンは20〜30mmが多く、薄くても5mmほどですが、うちにはEVAというビーチサンダルなどに使う素材を1mmにスライスする技術もあります。このサイズになると、見え方が「生地」に変わってくる。そうすると、「こんなものが創れるかも」という新しいアイデアも生まれると思います。

こちらが「カッティングプロッター」。2Dデータをもとに機械制御で1個から製造が可能

こちらが「カッティングプロッター」。2Dデータをもとに機械制御で1個から製造が可能

──実際に、クリエイターやデザイナーとコラボレーションして、製造をされたことはありますか?

珍しいもので言うと、ウレタンを使った照明器具ですね。点灯するとウレタンの隙間から明かりが柔らかく透けるんです。墨田区の町工場が20社近く参画して、一般の方向けに工場見学ツアーやワークショップを実施する「スミファ」というイベントがあるのですが、そこに参加された方から相談を受けて製作しました。

また、「スミファ2017」では、ガラス製品の販売などを手掛ける「ちいさな硝子の本の博物館」と、鋳物製造の「東日本金属」の3社でコラボレーションし、参加者向けのプレゼントとしてガラス細工のリンゴと真鍮製の葉っぱ、そしてそれを包むウレタン製ケースも作りました。

「スミファ」用に3社がコラボして製作したリンゴ。サトウ化成ではウレタン製ケースと革ひもを製造

「スミファ」用に3社がコラボして製作したリンゴ。サトウ化成ではウレタン製ケースと革ひもを製造

──お話しを伺っていると、「緩衝材」という言葉には収まりきらないですね。

ウレタン=緩衝材=守るものという発想以外にも、「水に浮く」「柔らかい」「軽い」「加工しやすい」とか、機能性を考えると切り口や伸びしろがいくらでもあり、雑貨やコスプレのグッズなどを含めて既存の様々な製品を置き換えることができます。

先日も立正大学経営学部とコラボして、「うれぽん〜スポンジカフェ・シリーズ〜」という製品を作ったんですね。これは子ども向けのごっこ遊び用のおもちゃなのですが、学生たちが幼稚園、保育園の先生方にリサーチしたところ、子供のおもちゃは木製・プラスチック製が多く、投げると痛いし、折れたり割れたりする危険性もあると。だったら、それを柔らかくて安全なウレタンに置き換えてみようと学生が考え、僕らが形にしていきました。

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ウレタンは加工次第で、雑貨やおもちゃなども作れてしまう

ウレタンは加工次第で、雑貨やおもちゃなども作れてしまう

──クリエイターが御社に相談できる機会はありますか? オープンファクトリーや参加されているイベントなどがあれば、教えてください。

先ほどもお話しした「スミファ」には定期的に参加していますが、それ以外にもウェブサイトのお問い合せフォームや電話・FAXなどでご連絡をいただいた上で工場にお越しいただければ、いつでも相談は大歓迎です。

毛色の違う世界や異業種の方と話して、モノを作っていく作業は、思いもよらないアイデアが生まれるし本当に面白い。ですから、アイデアベースで「こんなものが作れないかな」といった段階でも構いません。一緒に会話を楽しみながら形にしていきましょう!

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有限会社サトウ化成
住所:〒131-0042 東京都墨田区東墨田2-14-1
TEL:03-3610-2354
メール:info@satokasei.com
代表者名:佐藤 憲司
従業員数:8名(2018年2月現在)
創業:1989年
事業内容:ウレタン(スポンジ)緩衝材、各種パッケージ、両面テープシール、ゴムの打抜き加工及び梱包加工、フッ素コート加工など。試作も1個から承ります。ウェブサイトのお問い合わせフォーム、電話、メールなどでお気軽にご連絡ください。
http://satokasei.com/

取材写真:イシバシトシハル

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Eastside Goodside (イッサイガッサイ) 東東京モノづくりHUBとは「CREATION IN EAST-TOKYO」を合言葉に、モノづくりが盛んな東東京の「ヒト」と「モノ」と「バ」をつなげて創業者をサポートし、東東京をワクワクする地域に変える創業支援ネットワークです。 https://eastside-goodside.tokyo/

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