2016.01.29 (Fri)
【募集終了】印刷の歴史と未来を伝えるシェアオフィス!/co-lab墨田亀沢

老舗印刷会社とco-labがタッグを組んだシェアスペース
古民家を改築したカフェや雑貨ショップが並び、来年にはすみだ北斎美術館もオープンする北斎通りから1本入ると、マンションに挟まれて、点々と町工場の残るエリアが現れます。その一角、5階建てのビルのワンフロアに、今回の物件があります。
ビルの入り口を入ると、廊下にそこはかとなく漂うインクのにおい。しかし3階に上るとその雰囲気は一変。「co-lab墨田亀沢」と書かれた扉を開ければ、白色と木づくりを基調とした空間が目の前に広がります。
ここは創業から半世紀近く、墨田区に拠点を構え続ける老舗印刷会社のサンコーが、新事業として手掛けたシェアオフィスです。シェアオフィス運営の先駆けである「co-lab」を主宰する春蒔プロジェクトとのアライアンスにより、自社工場のあるビルの3階約60坪を丸々リノベーション。今年3月にオープンしました。
対象とする利用者像はフリーランスのデザイナーや建築家、アーティストなどのクリエイターに、企画職、起業家、研究者といったクリエイティブワーカー。感性豊かな人々にとって居心地の好い空間をつくるため、内装は洗練されたシンプルモダンを基調に、視覚的な遊び心も盛り込んだ機能的なデザインに仕上がっています。
3代目が切り開くクリエイターとの関係
ほかのシェアオフィスを何十軒も見に行くなど苦心を重ね、ようやく完成したと語るのは、co-lab墨田亀沢のチーフ・コミュニティ・ファシリテーターの有薗悦克(ありぞの・よしかつ)さん。サンコーの3代目でもある有薗さんは大手のチェーン企業等を経て、家業を担う決心をしました。
印刷業はメディアの多様化やデジタル化、価格破壊などの影響を受けて市場規模が縮小し、地場産業である墨田区でも印刷会社はこの10年で4割が廃業。こうした厳しい状況の下、工場の上階の空きスペースをうまく活かす方法はないか、印刷全般に熟知した自社の強みを将来性のある形で発展させられないものだろうか――。有薗さんは地域の後継者を育成する「フロンティアすみだ塾」に参加し、同じような立場の仲間と情報交換したり、地域で活躍するフリーランスのクリエイターである「すみだクリエイターズクラブ」のメンバーの意見を聞いたりしながら、スペースの活用法を模索したそうです。
そして、「印刷技術とクリエイターとのコラボレーションによって、紙メディアの新たな可能性を創出しよう」というコンセプトを見いだしました。クリエイターは紙やインク、印刷、製本、加工などに精通した印刷会社のノウハウと設備を役立てれば、創造のフィールドがさらに広がり、仕事の完成度も高まります。印刷会社は発想の豊かなクリエイターと身近でやり取りすることで工程のタイムラグを減らし、クライアントの高度なニーズにも対応できるようになると読んだのです。
印刷業のネットワークを活用して未知のモノづくり!
契約形式は固定席(レジデンスタイプ)とフリーアドレス(ノンレジデンスタイプ)の2タイプを用意。インターネットや光電話、複合機、ロッカーなども使用できます(有料・無料の別あり。光電話はレジデンスのみ)。また、カードキーで24時間の出入りが自由というのも、時間に縛られたくない人にはうれしいポイント。さらに、営業時間内はデザイン・印刷業界で40年以上の経験を持つ越村さんが「印刷コンシェルジュ」として常駐。穏やかで誠実に応対してくれるベテランに、いつでも相談OKという安心感も付いてきます。
現在のメンバーはグラフィックデザイナー、プランナー、システムエンジニア、イベントプロデューサーなど。快活で話し上手な有薗さんが声を掛けて、オープンランチや仕事の発表会などで交流を図っているとか。ウェブサイトやメーリングリストで、現在6ヶ所あるco-labのメンバー350名とのネットワークを活用できたり、他拠点の施設も優遇利用できます。
印刷を始めとするものづくりを通じて、次世代の墨田のまちづくりに一役担いたいという思いもあり、自分の専門職を持ちながらそうした活動を行なっている方にとってもクリエイティブなアイデアやネットワーク、そしてビジネスが生まれる活動拠点になることでしょう。
多様なジャンルのものづくりのプロが印刷の歴史と未来を伝える空間に集まり、垣根なく交流することで“ワクワクする化学反応”が起こる。そういう場を提供しながら、メンバーと一緒に可能性をどんどん広げていきたい。また、ワークショップやイベントを通じて地域の活性化にも結び付く拠点として発展させたい――。
大きな夢を描く有薗さんは、共に実現を目指すメンバーを心待ちにしています!
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