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2014.11.10 (Mon)

space dike「様々なジャンルの展示がつなぐ、アートと人と建物」〈建築/コミュニティスペースVol.2前編〉

こんにちは! 空き家&空き店舗活用研究員のChiho Takitaです。

11月の特集は建築/コミュニティスペース。Vol.2では三ノ輪にセルフリノベーションでオルタナティブスペース「space dike(スペース・ダイク)」を立ち上げた写真家の畔柳さんにインタビュー。

普段はお仕事をしながら2014年2月にspace dikeをオープン。休日を中心に不定期に展示・イベントを開催しています。築30年以上の下町の工場だった5階建てのペンシルビルをご夫婦でリノベーション。1~2階は展示&ラウンジスペースに、3階以上はご自宅として使っています。

実は私も浅草で飲食店&マルチスペースを運営しているのですが、こちらもセルフリノベーションだったので、畔柳さんの体験談に興味津々! ではさっそく、前半ではご自身のアート活動とspace dikeでの展示について伺います。

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【写真:地上5階・屋上があるspace dikeは、オルタナティブスペース兼自宅を兼ね備えた建物】

作品を発表するために自主ギャラリーを共同で借りることに

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【写真:5階には緑地化された素敵なガーデンスペースが。羨ましい!!】

漫画「あしたのジョー」の舞台として知られる三ノ輪。「いろは会商店街」のすぐ近くに、畔柳さんご夫婦の自宅兼オルタナティブスペースである「space dike」があります。入口を入ると鉄骨まるだしの天井と壁が真っ白に塗られていて、奥に広がりを感じる空間です。

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【写真:このときの展示は「非公式物産展の『地球のあるき方2』」。誰でも参加できる“旅”のクラブ活動! 参加費500円で旅まつわる何かを披露したり、売ったりする権利に。旅先で教わった料理を再現する「キッチンうろ覚え」、アルコールストーブ入れを作ったりと、参加型イベントだった】

オーナーである畔柳さんご夫婦がこの建物を借りたのは、2012年7月のこと。きっかけは以前運営していた自主ギャラリーだった木造住宅を出なければならなくなったことでした。

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—-そもそもなぜ自主ギャラリーを作ろうと思ったんですか?

「昔は写真というと暗室が必要だったり機材も高額で、始めるのにはハードルが高かったですが、最近はカメラもデジタル化されコンパクトになってき て、パソコンとプリンターがあれば作品を発表できるようになってきました。それで独学で写真を撮りつつ、広がりを求めて写真のワークショップにも参加するなどしていたんですが、同じ写真家のワークショップに以前参加していた人が自主ギャラリーのメンバーを募集していたので参加することにしました」

写真で表現しようとする人たちが、暗室問題を解決したその次の問題は、作品を発表するスペースを確保すること。その都度ギャラリーを借りていたら1度の展示で数万円もの費用がかかります。でも自主ギャラリーを何人かで借りてシェアすれば、予算も大幅に抑えられます。話を持ちかけてくれたパートナーの親戚が使っていない家を貸してくれるということで家賃的にも安く抑えられることに。そこで2人で自主ギャラリー「GALLERY WAWON(ギャラリーわをん)」を始めたのです。

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【写真:大城真個展 『strings』の様子。低周波振動を発するスピーカーの中心に括り付けられた複数の紐が部屋に張り巡らされ、その振動が紐に伝わり波の形を描いている。展示ごとにスペースが様変わりする】

自身の場所を持ちたい志向の仲間から、物件情報がもたらされた

—-最初の自主ギャラリーはどんなスペースだったんですか?

「普通はギャラリーというと大掛かりなものを想像するかもしれませんが、そこは6畳一間の和室に壁を建てただけの小さな展示スペースで、当初は月の前半にもう一人の写真家が、後半に僕が展示するというスタイルでした。毎月の展示なので撮影やDMを作って配り、展示する…という時間に追われるハードな生活でしたね。最初は友達が見に来てくれていただけなんですが、そのうちクチコミで広がっていって、写真じゃない別のジャンルの表現をする方々も来てくれて、作品を見たあとは、展示スペースの横にある8帖ほどのリビングでお茶やお菓子をつまみながら色々話をしましたね。ジャンルは違っても、『こんな考え方もあるんだなぁ、写真じゃない展示もいいなぁ』など、面白くなりそうな感じになってきていたんです。そんなときに『GALLERY WAWON』を出ていかなければならないことが決まって。3年くらい続いたし、ココに来る人がつながっていく、そんなきっかけを実感していたので、もっと展開していこう、ならば別のスペースを探そうということになったんです」

そして見つかったのが、三ノ輪にある築30年以上の下町の工場だったビル。「GALLERY WAWON」をきっかけにグループ展に参加した際に知り合った写真家さんに紹介されたのだそう。

「その方も都心部にある古い建物にある部屋を自分でリノベしてギャラリーをやっていたことがあって、そういう物件に興味があるんですよね。いまは別の方がその場所を引き継いでいるんですが、僕もそのギャラリーが好きでよく行っていたんで、人との縁というか、つながっているなと感じました。実は現在、space dikeでの展示は、お世話になった人、リノベ作業を手伝ってくれた人を中心に、不定期に展示、イベントをしています。写真の展示もまだ1回だけで、こだわりなくいろいろはじめています」

建物のモチベーションに魅かれ、セルフリノベを決意!

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【写真:3階のリビングスペース。フローリングやタイル貼り、壁のしっくい塗りなどは、大家さんによるセルフリノベーション。おしゃれで落ち着く空間です】

建物の大家さんは美大出身のご夫妻で、紹介してくれた写真家さんとは大学時代の同級生。大家さんが購入した当時も建物は廃墟状態でしたが、3階以上の住居空間は大家さんがセルフリノベーションして、モダンな心地のいい空間に仕上げています。ところがお子さんが生まれた後に別の家に引っ越したため、畔柳さんが出会うまで長い間、空家で放置されていたそうです。

「最初に見たときはそれこそ古い薄暗くて、粗大ゴミもあってどうしようかと思いました。ただ、ここ自体は5階建てでさらに屋上もあるんですが、家賃の交渉をしたら、以前住んでいたアパートと同じくらいの家賃にしてくれたんです。家計が助かるという側面もありますが(笑)、私的には、暮らしと表現が1つの場所に一緒にあるということに興味がありました。それで、セルフリノベーションははじめてなんですが挑戦してみようかということになったんです。でも正直そのときはそこまで大変だとは思っていなくて(笑)」と奥さまのSakikoさん。

はい、体験者として私もなんとなくわかります、それ(笑)。では、セルフリノベーションでぶち当たった壁は? また古い建物を借りるときの意外な盲点とは? ここからは金曜日に続く<後編>でお届けします。どうぞお楽しみに!

詳細情報

名称space dike(スペース・ダイク)
住所東京都台東区日本堤2-18-4
URL

http://spacedike.blogspot.jp/

その他

この記事を書いた人/提供メディア

Chiho Takita

空き家&空き店舗活用研究員。普段はマネー誌のライターだが、地域に根ざした暮らしと仕事をしたいと思い、東東京マガジンライターに。浅草~向島界隈を中心に街歩きをしていたところ、空き家&空き店舗を再生して図書館やギャラリー、カフェ、イベントスペースに活用している事例を知り、これらの取材をするように。浅草在住。

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