2013.03.19 (Tue)
マスターと珈琲の香りが紡ぐ心地よい場所@東向島






墨田の代表的コミュニティカフェ
スカイツリーの誕生で、脚光を浴びる墨田エリア。曳舟駅近く、大通りの角地に店を構えるのが、「東向島珈琲店 pua mana(プーアマナ)」です。
「ヒガムコ」の愛称で地域の人に親しまれ、モーニングがお目当ての常連さんもたくさん。2006年のオープン以来、墨田エリアコミュニティの中心的存在となっています。
お店のすぐ横は公園で、大きな窓から日差しがたっぷり入る空間。太陽の光と暖かみのある木の家具がとても居心地よい雰囲気を作っていて、つい長居してしまいそうです。
店の主、”マスター”こと井奈波康貴さんは、すらっと長身で、物腰のとっても柔らかな方。そのうえとても上品で爽やかです。人の目をまっすぐ見て話す姿、珈琲を手早く淹れる美しい所作は、プロ意識の高さを伺わせます。
ホテルマンからカフェのマスターへ
今回はそんな東向島珈琲店の定休日、水曜日の利用者募集になります。そこでマスターにお店を始めたきっかけから今回の募集まで、お話を伺いました。
──マスターの珈琲店との出会いって何だったんですか?
井奈波さん 就職して最初は、ホテルマンをやっていました。ホテルって、シェフは料理を作るだけだし、僕はお客さんに給仕するだけ。
もっと直接お客さんに自分が作ったものをわたす仕事がしたいな、と働きながらずっと心の奥底で思っていました。モヤモヤを感じていたんですよね。
それで、仕事を辞めた後、1ヶ月間ハワイに行く機会があって、ホテルの近くのカフェに通うようになったんです。そこでは料理を作っている人たちがホールに出てきて、自分で作ったものを「はい、どうぞ」ってやりながらすごく楽しそうにしていて、お客さんもニコニコしていたんです。
それを見て、「あ、これも仕事なんだ!」って思って。そこから日本に帰ってきて、珈琲店で修業しようと思って始めました。
帰国後に働いた珈琲店の師匠に恵まれて、カフェの素晴らしさやコーヒーの奥深さを教えてもらいました。この師匠は、僕のこれまでの39年の人生の中でもキーを握っている存在です。飲食店はレストランなど色々な形態があるので、師匠と出会っていなかったら珈琲店じゃなかったかもしれないですね(笑)。
──マスターが大事にしていることはどんな事ですか?
井奈波さん 根津で店舗物件を探していた頃、ずっと通っていたカフェがあったんです。色んな人が集っていて、お客さんと店主って間柄もすごく近い。どっちが上とか下とかじゃなく、コミュニケーションが取れていて、すごく素敵なカフェでした。
そういうお店をやりたかったんですよね。
「僕も、一緒に使い方を考えていきたいですね」
──今までお店の間借りではどういう利用がありましたか?
井奈波さん 一番長いのは、2008年から続いている「活版工房印刷室」というイベントですね。お客様で、活版印刷の職人さんがいらっしゃって、活版印刷を普及したいという思いも込めて続けています。
そのほか、ウェブCMの撮影や映画ロケ地、雑誌などの“撮影場所”としての利用が多いですね。自主制作映画や上映会のお話も増えてきています。他にもWi-Fiを完備しているので、“一日コワーキング体験”のイベントなんかもありました。
あと知人から、“ジビエ料理のパーティー”をやりたいという話ももらっています。
──なるほど。多岐に渡りますね!では、今回の募集ではどんな人に使ってもらいたいですか?
井奈波さん あんまり型にはめたくないので、今までの使い方にとらわれず、是非、色々試していただければと思います。僕も「こういう使い方あるんだ」と発見したいし、一緒に努力したいですしね。
キッチンの利用、イベントとしての利用も可能とのことで、細かな条件は少ない分、この場、このマスターとの相性が一番の条件といえるかもしれません。
お客さんとの距離感を大切にして作られたお店なだけに、人と人が交流する企画にもぴったりですし、大きな広いテーブルもあるので皆で手作業をするようなイベントも良さそうです。
心地が良い場所は、もうそれだけでイメージが色々と広がり、マスターが言うように、今までにはなかったような使い方も生まれてきそうです。
「せっかく使うのなら、成功してほしいというのが一番にある」と、マスターも打ち合わせを心待ちにしています。
まずは一杯珈琲を飲みにきて雰囲気を味わってから、応募するのもよさそうですね。