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2013.11.20 (Wed)

下町暮らしを楽しむ秘訣「TOKYO SLOW」とは??tokyobike gallery 谷中@台東区谷中

東京・台東区谷中には、自動車のあまり入ってこない細い小道がたくさんあります。下町独特の飲食店や雑貨店の並ぶそれらの道では、太陽の日差しを感じ、心地よく巡ることのできる自転車が丁度いいです。そんな街巡りにぴったりの自転車を提供する「自転車屋さん」が谷中に根付いています。

点と点を結び、線で街を感じる自転車生活

写真:tokyobike gallery 谷中(外観)
創業約300年の歴史を持つ酒屋「伊勢五本店」の旧店舗を受け継いだ自転車屋さんの外観

TOKYO SLOW??それは、ヒガシ東京発の自転車メーカー・tokyobikeが掲げるコンセプトです。「スピードを出すことよりも、自転車を意識せずに風景や空気の匂いを感じ、街を楽しむためのツールを提案する」という想いがこもっています。そして、実際にそれを体感できる「レンタルバイク」を行っているお店が谷中にあります。今回はその店舗「tokyobike gallery 谷中」を訪れました。

「谷中には地方や海外からお客様が訪れます。そういう方々にtokyobikeのレンタルバイクを利用してもらい、街を楽しんでもらっています」。そう語るのはメカニックの深田啓文さん。「ご近所のお店の方々にもtokyobikeを使っていただいていて、メンテナンスついでによく遊びに来てくれています」。

写真:tokyobike gallery 谷中(店内)
築80年の趣ある店内。上に見える看板は伊勢五本店で使われたものをそのまま残している

またスタッフの海老根拓さんは、ご自身の通勤時にtokyobikeを利用することもあるそうで、「自転車に乗っている時間は一人になれる貴重な時間です」と教えてくれました。「自転車通勤の魅力っていくつかありますが、点と点だったものを線に繋げてくれるところだと思うんですね。電車通勤ですと、最寄り駅と目的地の駅の周辺にしか目が向きませんけど、自転車でならその間の風景を感じることができます。『この焼き鳥屋さん気になる』なんて、新しい発見があるのも魅力です」。

ヒガシ東京の繋がりは人と人で広がっていく

tokyobikeは、マニアックなパーツにこだわるのではなく、ソフトにこだわるタイプの自転車。「ソフト=乗る人たちのライフスタイル」を全面的に提案しているからこそ、他のクリエイターとのコラボレーションも行っています。「例えば、2〜3年前からm+(エムピゥ)さんとコラボレーションして裾バンドを作り、販売しています」(海老根さん)。

写真:m+とtokyobikeのコラボ商品「裾バンド」
m+とtokyobikeのコラボ商品「裾バンド」。ズボン裾に巻き、ギアの油で汚さないように保護できます。「アイテムを通しても生活を豊かにしてほしい」(深田さん)

m+は台東デザイナーズビレッジ出身のブランドです。そんなヒガシ東京のクリエイターとコラボレーションをするキッカケは、「やっぱりコンセプトで共感し合うからですか?」と聞くと、「実は、飲み友達が多いですね(笑)。台東デザイナーズビレッジには知人がいたので繋がりましたし、谷中近辺の若い人たちとは昔、店主会という集まりをやって交流していましたよ」と答えてくれました。

デザビレのメンバーが実行委員に名を連ね、5月に開催されたイベント「モノマチ」でも「tokyobike Sharing」としてレンタルバイクを出しています。「モノマチの運営会議で自転車があったらいいねという話が出たそうです。そこで知人を通じてぼくたちが参加することになりました」。

ヒガシ東京には、徒蔵や谷根千といった若い作り手の集まるエリアが多くあります。それぞれのエリアで盛り上がるだけでなく、エリア間にも繋がりがあることに改めて気づかされました。

写真:tokyobikeがズラリ
いろんなtokyobikeがズラリ。「ヒガシ東京巡りにはBISOU 26がおすすめ!」(深田さん)

最後に、深田さんから教えてもらったおすすめのサイクリングコースを紹介します。「谷中の街中を走るのはもちろん、この店舗の裏にある言問通りを抜けて、浅草やスカイツリーに向かうのは見所が多くておすすめです。自転車でなら30分くらいでスカイツリーまで行けますよ」。

ヒガシ東京にはたくさんの観光スポットがあります。太陽の心地よい日にtokyobike gallery 谷中で自転車を借りて、気軽に楽しく巡ってみるのも乙ですよね。

この記事を書いた人/提供メディア

新井 優佑

インタビュアー/ノンフィクションライター。WEBマガジンやオウンドメディアの運用、寄稿をしています。出版社でスポーツ雑誌編集とモバイルサイト運用を担当したのち、独立しました。2014年は、手仕事からデジタルファブリケーションまで、ものづくりの記事を多く作成しました。1983年東京生まれ。

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