ホーム > コラム > 子連れで行く!ヒガシ東京─国際子ども図書館@上野

2013.12.23 (Mon)

子連れで行く!ヒガシ東京─国際子ども図書館@上野

乳児・幼児を連れて行きやすい場所を探して、実際に0歳の乳児と共にヒガシ東京を巡ってレポートする企画。今回は、上野にある「国際子ども図書館」に行ってきました。

旧帝国図書館を利用・再生した建物

上野で子供と一緒に楽しめる施設と言えば、上野動物園や科学博物館がまず思い浮かべられると思いますが、それらのある上野恩賜公園のすぐ側にとても素敵な図書館があることをご存知でしょうか?

公園を谷中方面に抜け、東京藝術大学の校舎が広がる敷地のすぐ側に、その図書館はあります。まず目を引くのは建物の外観です。古く立派な洋風建築のエントランスは、その建物とは対照に現代的なガラスの箱で覆われています。

写真

この図書館は、1906年に建設された帝国図書館を再生・利用されたもので、できる限りの建物の保存を目的として改修され2002年に開館しました。設計は安藤忠雄建築研究所と日建設計によるもので、多くの賞を受賞した改修なのだそうです。

image_3

エントランスとは逆側の西側壁面がガラスで覆われ、元々の古い壁面とガラスの新しい壁面の間が増床され、光があふれるとても素敵なラウンジに。幅広の白いソファが並んでいて、外を眺めながらの休憩がとても気持ちよい場所でした。

image

image_1

”子ども”図書館

わざわざ”子ども”図書館と銘打った図書館も珍しいのではないかと思いますが、こちらの図書館は帝国図書館としての役割を終えた後、子供の読書離れが問題視される中で児童書を中心とした図書館に生まれ変わったのだそうです。

1階には「おはなしのへや」「世界を知るへや」「子どものへや」という3つの部屋があり、たくさんの児童書がカテゴリー別に並んでいたのですが、むしろ大人が興奮してしまうような興味深いタイトルの本がずらりと揃っていて、入った瞬間、小学生の頃に学校の図書館に行っては好奇心をかき立てられた時の感覚がふわっとよみがえってきました。

「子どものへや」の本棚は円形に配置されていて、中心にはテーブルと椅子があり、そこで本を閲覧することができます。「子どものへや」という名前ですがもちろん大人も入ることができ、お子さんと一緒に本を読むお父さんお母さん達がいて、一般的な図書館のように「物音をたてづらい」雰囲気ではありませんでした。静かに読み聞かせするくらいであれば大丈夫そう。私も、0歳の子が読む絵本を選んで、読み聞かせしてみました。

こちらの部屋は撮影が不可だったので写真を撮る事はできませんでしたが、改修で新しくなった内装は古い西洋建築に合わせたしつらえの柱や、どこで本を読んでも影ができない光の天井、木製の円形の本棚など、こんな空間で本が好きなだけ読めるなんてとても豊かな気持ちになります。

おはなし会

週末の土日には、「子どものためのおはなし会」という会が開かれていて、よみきかせの会に参加できるようです。

私のような0歳児連れには、3歳以下の子どもと保護者を対象にした「ちいさな子どものためのわらべうたと絵本の会」という企画も行われています。

image_2

2、3階には資料室や本のミュージアムも

子供と一緒に本が読めるのは1階の部屋のみですが、3階には「本のミュージアム」や「絵本ギャラリー」があります。「本のミュージアム」ではこれまでの児童書の歴史が年代別に見られるような展示があり、小学生の頃に読んだ懐かしい絵本もたくさんありました。

「絵本ギャラリー」ではパソコンを使って、世界の絵本の歴史や挿絵のデータベースが閲覧できるようになっています。

image_2

2階は資料室になっていて、研究を目的とした18歳以上の方への閲覧のみになっていました。閲覧する場合は、利用者登録が必要なのだそうです。

授乳室・オムツ替え

図書館ということで、授乳の必要な(まだ絵本を自分で読めない)0歳児が来る事は少ないのだろうと思います。授乳室というものはなかったのですが、図書館の1階事務所内にある救護・医務室を授乳の際には貸してもらうことができました。個室なのでお父さんも一緒に入れます。借りたい場合は、受付でその旨を伝えると医務室まで案内してもらえます。受付の方も事務所の方も、とても丁寧な対応でした。

オムツ替えは1階・3階に多目的トイレがあり、そちらにオムツ交換台が設置されています。

また、1階にはカフェスペースもあり、テラス席ではお弁当の持ち込みもOKなのだそうです。離乳食などもこちらであげることができます。

image

image_1

今回は土曜日に訪れましたが混雑もなく、ゆったりとした時間が流れていました。月齢が低いうちはまだ読める本も少ないですが、もう少し大きくなって色んなことに興味を持ち始めたら、ここに来て一緒に知識を深めたり、たくさんの物語を読んだりしたいと思いました。子供のための本は内容は専門的でもやさしい言葉でわかりやすく書かれていて、大人になって読んでも充分楽しめるものばかりで、子供そっちのけで大人が夢中になってしまいそうです。そして本はもちろんですが、この建物の歴史や建築としての魅力もとても大きく、何度も訪れたい施設だなと感じました。

レジャー施設へ遊びに出かけるのもいいですが、建築としても優れた建物の中で子供と一緒に本を読むという過ごし方も、とても充実した時間になりそうです。

この記事を書いた人/提供メディア

週間ランキング

  • mag_wanted
  • 151220_sooo_banner
  • 151220_reboot_banner