2015.01.12 (Mon)
下駄がスニーカーみたいにイケてる!浅草の老舗下駄屋四代目 富田里枝さん<あなたの抱負を聞かせてください!Vol.1前編>
【写真:浅草和装履物店「辻屋本店」四代目 富田里枝さんはいつも粋な着物の装い】
あけましておめでとうございます。
今までこの東東京マガジンで紹介してきた人たちは、どちらかというと外から東東京に惹かれてきて活動拠点にしているケースが多かったかもしれませんが、本日は大正時代から続く浅草和装履物店「辻屋本店」四代目社長、また当マガジンライターでもある、チャキチャキの浅草っ子 富田里枝さんに2015年の「抱負を聞かせてください!」という質問をぶつけてきました。
というのも、これまでの富田さんのパワフルな活力と実現力から”和装のこれからの展望が垣間見れるはず”と踏んだのです。取材の結果、その現在の精力的な活動の延長上に富田さんの抱負がありました。
下駄と草履がスニーカーのように陳列!和装がグンっと近距離に
大正時代から103年続く「辻屋本店」には、日本舞踊をする人、芸者さん、歌舞伎役者さん、落語家さんから、今のファションに敏感な若い人たちまで、幅の広い客層が訪れます。
12月17日には浅草新仲見世から、人気の伝法院通りに新店舗を移転オープンしたばかりで、本当に出来立てホヤホヤ。そして、その内装・外装には富田さんの和装への展望が満載です。まずは、その様子をご紹介しましょう。
【写真:「辻屋本店」の2階のウィンドウディスプレイがモダンで目を惹きます。浅草で人気の伝法院通りに12月17日オープンホヤホヤ】
まず、目を奪われたのが外観。こんな下駄屋さん、見たことない!薄暗くなり始めた人通りの多い伝法院通りで視界の上部に入ってくるのが、「辻屋本店」の2階のウィンドウに明るく照らされた、全部こっち向きで整然と並ぶ下駄のディスプレイ。下駄屋さんが、なんだかポップ。
【写真:まるでスニーカーの展示のよう。位置を好きなように変えられる木の棚がモダンでやわらかい。】
さらに店内はというと、壁一面の木枠に下駄と草履が横向きか縦向きでさっそうと並んでいて、まるでスニーカーの陳列さながら。すごくモダンなのです。
――このディスプレイ、すごいモダンですねー!それぞれのサイズにピッタリ合ってるし。
富田さん:設計士と私たちで何度も検討を重ねてできあがった内装です。スニーカーのお店みたいって言われるんですよ。(やっぱり!)この棚、板が挟まっているだけなので、位置を好きなように変えられるんです。
――すごい!!画期的。
富田さん:この内装は設計士の意向で、照明の和紙、陳列棚の木材、のれんなど、すべて台東区内にある会社やメーカーの素材を使っています。
――こういう陳列の仕方、モダンで絶対に若い人の目を惹くと思います!
【写真:デザイナー ”Machiko Sentou” とのコラボレーション商品】
富田さん:今、若い人の間で着物文化が出来てきたようですし、いろいろな人とコラボレーションをして新しいことに挑戦していきたいと思ってるんです。これがその初めての試みで、うちの下駄の装飾を ”Machiko Sentou” というブランドのデザイナーの方にお願いしたものです。靴のデザインをされている方なので、面白いと思ったんです。今、靴と革の世界とのコラボレーションに興味があるんです。
――面白い新しい見方ですね。
富田さん:商品と新店舗での展示を工夫をすることで、昔からの職人技を現代につなげること、下駄を広めること、もっと具体的に言うと、服にも合わせて履いてもらうことが今年の抱負の一つです。それと、下駄で歩くのには足指でつかむ力が必要になるので、とっても健康にいいんです。自分が一番実感していて、他の人にも知って欲しいんです。
――服と下駄ってカッコイイし、夏は気持ちいいでしょうねー。
富田さん:浅草は昔から和装の町で、私の子供のころは着物がまだ日常着でしたが、現在下駄屋は浅草に3軒しか残っていません。でもまだかつら、和装小物、組紐、つげぐしといった和装専門店が多いんです。もっと多くの人に知ってもらって、和装が日常生活に馴染むこと目指しています。今若い人たちの間で復活してきたのはうれしいことです。
ユニークなイベント企画を次のレベルへ
富田さんはお店の他に、いくつものイベントを企画・運営しています。後編では、その中の一つである「あさくさ和装塾」の抱負をご紹介します。お楽しみに!
詳細情報
名称 | 浅草和装履物店「辻屋本店」 |
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住所 | 〒 111-0032 東京都台東区浅草1-36-8 |
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その他 |