2013.09.30 (Mon)
奥浅草の新名所がオープン – 浅草 飴細工 アメシン

奥浅草にある縁結びのご利益があることで有名な今戸神社。その向かいに、黒い格子のファサードのモダンな和を感じさせるお店ができました。何のお店なんだろう? そう思いながら前を通り過ぎること数日・・・・
完成したお店にかけられた暖簾には、力強いフォントで「飴細工 アメシン」と書かれていました。
生命力のある飴細工
店内に入ると、そこはとても潔くシンプル。黒い壁、モルタルの床、無垢のテーブル。しかしながら冷たい印象はなく、ファサードの格子から漏れる外の光がちょうどよく店内を照らし、とても居心地のいい空気に包まれています。
そしてその黒い壁を背景にしてキラキラ光るガラスの彫刻のように佇んでいるのが、アメシンの飴細工です。そこに並ぶ飴細工は、とてもリアルで、まるで今にも動き出すかのような躍動感のある動物たち。金魚の尾びれ、鳥やペガサスの羽の揺れ動く形を捉えた精巧さは、まさか数分で切り出されたものだとは感じられません。
この生命力のある飴細工をつくるのはアメシンの代表、飴細工職人をつとめる手塚新理さん。手塚さんはなんと今年で25歳という若さ。5年前に飴細工の世界に飛び込み、ほとんど独学で経験を積んでこられたというから驚きです。
お店では手塚さんに直接オーダーして、目の前でその技を堪能することができます。(出張の場合、不在のこともあります。)オーダーする際の参考メニューもありますが、手塚さん曰く、動物であれば大体どんな形でもその場で作られてしまうそうです。お客様の中には、ご自身のペットの写真を見せて注文される方もいらっしゃるとか。自分の愛犬や愛猫が飴になってキラキラ輝いていたら、それはもう食べずに眺めて楽しむほかありませんね。
集中力を研ぎすます体験教室
手塚さんがこの工房店舗を構えた理由を尋ねると、そのひとつに、体験教室に力を入れていきたいという思いがあったからだそう。
熱い飴を触り、イメージした形を飴が固まるまでのたった2、3分で造り出す。その作業には当然ながら高い注意力と集中力が要求されます。手塚さんはその短い時間にぐっと意識をひとつにし研ぎすます作業が、子供にとってとても大切なことなのではないかと感じているそうです。それを体験してもらう教室を開くために、飴細工の店舗としては十分すぎる広さの場所を選んだとのこと。
団体のお客さんも対応できるとのことなので、お子様はもちろん、大人の方も友人を誘って挑戦してみてはいかがでしょうか。普段の生活や仕事ではなかなか使わない瞬発的な集中力が、頭の良い刺激になりそうです。
また、体験教室がない時は、店内はカフェスペースとして利用ができます。
神社で参拝し、アメシンで自分だけの特別な飴をオーダーして、ゆっくりとお茶を飲んで帰る。浅草寺から甘味処であんみつ、の定番コースもいいですが是非浅草のひと味違った時間を奥浅草・今戸で体験してはいかがでしょうか。
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さて、今回お店を取材させて頂いて、やはり気になったのは手塚さんご本人のこと。
若くして飴細工職人になられたその経緯は、誰しも訊きたくなってしまうお話なのではないでしょうか。
そこで早速、手塚さんにインタビューさせて頂くことにしました。
次回はその気になる手塚さんの経歴やアメシンへの想いについてのお話を掲載いたします。乞うご期待!