2015.08.05 (Wed)
お寺にプラネタリウム!? 知識発信地「證願寺(しょうがんじ)」のお寺改革@葛飾区<ぶっとび仏教新潮流 Vol.1前編>
お盆の時期を迎えた今回は、ユニークなお寺に注目! かつてはコミュニティの中心として存在していた寺院。支える檀家が先細るなか、仏の教えを伝えるためにあの手この手を繰り出しています。
Vol.1でご紹介する證願寺には、その敷地内にプラネタリウムがあります。また、本堂の両脇にはライオンと恐竜がいます。ここの住職さんが並々ならぬ人であることは明らか。その並々ならぬ證願寺17代目住職、春日了(かすが・りょう)さんに実際にお会いして、どういう背景と経緯でプラネタリウム創設に至ったかをお聞きしてきました。
お寺に恐竜!?プラネタリウム!?
都営浅草線の浅草駅からたったの10分。乗り入れ京成押上線立石駅で降りてすぐの懐かしい商店街を抜けると、少し遠目からでも證願寺であろう場所を発見! 建物の壁に元気に泳いでいる大きなクジラの絵と、屋根にドーム(春日さんの天文台)が見えたからです。門には「真宗大谷派證願寺」の文字。やっぱり! 門からは真正面に木造の威風堂々とした本堂と全長4メートル程の恐竜が目に飛び込んできます。
どんなにエキセントリックな風貌の住職さんかと想像していましたが、とても物腰のやわらかい、でも確固たる信念をもっていらっしゃる方でした。
すべてヒノキ造りの本堂の「和」があるからこそのエキセントリック
――まず證願寺にはどういった背景があるのでしょうか?
春日さん 関ヶ原の戦いが起こった安土桃山時代末期、慶長5年(1600年)に創建され、400年の歴史があります。その拠点は湯島、浅草、そして昭和7年に現在地に移りました。この本堂は1945年の戦火の後、父がすべてにこだわって設計して造られました。
――入ってすぐに、重厚な建築に惹かれて裏側まで廻って、屋根を見てきました。
春日さん 東京では珍しい鎌倉建築様式で、建築が好きな人がよく見に来ますよ。屋根の勾配が品良くなだらかで、全部ヒノキを使っているんです。この本堂の「和」という日本文化があるからこそ、ライオンや恐竜を置くことができるんです。
――あの恐竜はやっぱり子供の興味を惹きますか?
春日さん はい、覗いていきますね。
――お寺と関係ない人にも、そうやってお寺との接点ができますね。
春日さん それが目的なんです。とにかく仏教が伝わりやすい環境作りの努力をしていて、言い換えれば次世代のための寺にしているんです。ですので、「おもしろい」っていう感覚を提供する文化発信の場として、私自身、また招待者による色々な講座もやっています。
――例えば、どんな講座があるんですか?
春日さん ワイン、言語、文化の違いなど、私の持っている知識からの講座もあれば、坊主バーのイベント、また宇宙飛行士の山崎直子さんのトークなんかは2分でチケットが売り切れました。
――そういった講座やトークの料金はだいたいどのくらいで、どういった客層が多いのでしょうか?
春日さん 料金は1000円からで参加者は20代から30代が中心で、リピーターも多いですね。
ただ、今他のお寺で「人が来ないから何かしよう」というようなイベント的なものとは背景が異なると思います。1987年に17代目住職を継いだのは、仏教が伝わりやすい環境作りという寺の改革をするためでした。
――寺の改革!?
※ ※ ※
さて、この春日さんの「寺の改革」、そしてプラネタリウムについては来週掲載の後編で掘り下げていきます!
8月特集:ぶっとび仏教新潮流
詳細情報
名称 | 證願寺(しょうがんじ) プラネターリアム銀河座 |
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住所 | 〒124-0012東京都葛飾区立石7-11-30 證願寺(ショウガンジ)内 |
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