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2015.01.21 (Wed)

銭湯がコミュニティになる時代 尾久ゆ〜ランド<東東京の銭湯 and more Vol.3>

ふ~っと吐くと白い息。ちょっぴり冷え込むそんな季節になりました。東東京にはぜひ訪れてみたい素敵な銭湯や銭湯イベントが。3回目は都電荒川線/日暮里舎人ライナーの熊野前駅近くにある「尾久ゆ〜ランド」をご紹介。こちらでも熱いライブが繰り広げられています。

熊野前の銭湯は、浴室が開放的

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都営荒川線または日暮里舎人ライナーの熊野前駅を降り、尾久橋通りの一本内側にある熊野前商店街の中にある銭湯、「尾久ゆ〜ランド」。店長の加古直(ただし)さんは以前に音楽関係のお仕事をされていたという経歴の持ち主です。そんな加古さんの手による銭湯のかたちをうかがってきました。

——こちらの銭湯はいつ頃からやられているんですか?

加古さん 風呂屋自体は50年以上やっているみたいです。私は3年前に専業で任されました。

——銭湯というと家族で代々経営しているイメージがあります。オーナーが別にいて、店長を置くというスタイルがあることを初めて知りました。

加古さん オーナーの息子と僕が同級生で、小学校のときから仲良しなんです。タイミングが合ってやってみることになりました。なんで風呂屋になってしまったのか、自分でもよくわからないんですけど(笑)。

「尾久ゆ〜ランド」は1Fと3Fが浴室。男湯・女湯が毎日入れ替わります。「お年寄りは3Fまで上がるのが大変なので、日替わりにしています」と加古さん。
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3Fの浴室。大きな露天スペースがあり、明るいうちに入ると開放感を満喫できそう。
お湯は42℃とやさしい温度でゆっくりと長くお風呂に浸かれます。しかし「電気風呂はかなり強いですよ。落とすと常連さんに『下げたろ!』と突っ込まれます(笑)」(加古さん)と、隠れた名物になっているそうです。

1F浴室。3Fとは少し変わっていますが、こちらも開放感がたっぷり。
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ジオラマは常連さんにいただいたという「盤景」。階段の踊り場に置いてあります。かわいいです。

そして、休憩スペースでは月に一度のペースで音楽イベントが行われているとのこと!

風呂からあがれば音楽フェスティバル

加古さんはもともと音楽畑で仕事をされていた方で、手持ちの機材を活用してライブを行っています。その名も「湯あがり音楽フェスティバル」。
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加古さん 休憩スペースがとても広いでしょう。こちらにきたときから何かできそうだなとは思っていたんです。1、2年は銭湯業務に専念していましたが、少し余裕が出てきたときに近所に住むお客さん・三浦英雄さんに声をかけていただいて。

——三浦さんはご自身でもイベントのプロデュースやDJをされているんですね。

加古さん レコードプレーヤーを置いたり、楽器が増えていったりしているのを見ていたようで。そういう人たちが反応するように積極的に出しっぱなしにしていたんですけど(笑)。素晴らしい巡り合わせでしたね。

——そういった機材が、お客さんとの関係をつくるきっかけになっているのがおもしろいですね。

こちらが「湯あがり音楽フェスティバル」の模様です。

お客さんが大盛り上がりのノリノリなものから、

しっとりと聴かせるものまで、これまでに色とりどりのバンドが登場しました。

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2Fから眺める休憩スペース。様々な機材が並ぶ。

加古さん 去年の4月から開催していますが、生楽器を鳴らすので音量的な問題もあり、まだ様子見というかたちでおっかなびっくりやってます。大々的な宣伝もしていないので、好きだからやっているという状態ですね。

——ミュージシャンのセレクトはどういう基準ですか?

加古さん 三浦さんの顔が広くて、たくさん連れてきてくれるんです。近所のに住んでいるミュージシャンもいますよ。今後はこれを目当てに来てくれる方を積極的に増やしたいなと思っています。

——銭湯の集客ということでしょうか?

加古さん 「湯あがり音楽フェスティバル」のポスターにも書いてありますけど、かつてお寺が持っていたコミュティの役割がいまの銭湯にあるんじゃないかと。「人が集まる場所」の役割ですね。音楽のイベントは好きだからはじめたまでで、銭湯の集客戦略を考えていたわけではないんですけど、結果的にそうなってます。

まるでライブを開催するために作られたかのような広くて天井の高いスペース。この銭湯は加古さんが来るのを待ち望んでいたのかもしれません。
次回のイベントは2月上旬を予定しています。一緒に盛り上がりましょう!

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「日本人は休みの日に温泉に行ったりするくらい風呂好き。ちょっと気分を変えて銭湯に来てくれる人が増えてほしいです。来たことない人は一回入ってみて」と加古さん。

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こちらも加古さんの機材。銭湯のカウンターの奥がまさかこんな風になっているなんて!
「カウンターでつらいことがあったら、こっちをみて元気を出してます」(加古さん)
もう少しで音楽を作れるようになるそう。今はもっぱらケーブルを自作中。

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詳細情報

名称尾久ゆ〜ランド
住所東京都荒川区東尾久5-27-5
URL

https://www.facebook.com/pages/%E5%B0%BE%E4%B9%85%E3%82%86%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E7%86%8A%E9%87%8E%E5%89%8D/490350624341150

その他

この記事を書いた人/提供メディア

本多 祐介

ローカルシティー研究員。地方都市のこれからの姿に興味津々。東東京も地方都市のひとつととらえると、今まで見えなかったものが浮かび上がってくると思います。古と新しさが同居するこのエリアに深く関わって魅力を伝えていきたいです。モノ好き、山好き、ビール好き。

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