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2013.12.03 (Tue)

【12月17日(日)〜19日(火)開催】江戸の風情を今に残す「羽子板市」で年の瀬の訪れを実感!

各神社のお祭りはもちろん、古くから続くさまざまな年中行事。昔から変わらず親しまれ、受け継がれてきたそれらは、わたしたちに季節の訪れを感じさせてくれます。

今日はそんな年中行事のひとつ、年の瀬が近づいてきたことを知らせる浅草寺の「羽子板市」をご紹介します。

江戸から続く、12月の吉例

(写真:期間中、境内には約30軒の羽子板の露店が並びます)
(写真:期間中、境内には約30軒の羽子板の露店が並びます)

さかのぼること、江戸のころ。毎年12月17日と18日に正月用品や縁起物を売る店が浅草寺境内に集まり、「歳の市」と呼ばれていました。そのうち毎年この市で正月用品や縁起物を求めることを“吉例(めでたいしきたり)”とした人々で賑わうようになり、江戸随一の市としてその名が知れ渡ったのだとか。

江戸末期頃には、市で扱う羽子板に流行の歌舞伎役者を貼りつけたことから女性に人気を集め、徐々に羽子板の露天が増えていきました。このことから現在では、「歳の市」は「羽子板市」として、その形をとどめています。

華やかな職人技「押絵羽子板」

「羽子板市」の羽子板は、いわゆる羽根つきに使うものとは違います。それらは「押絵羽子板」と呼ばれ、職人により一つひとつ手作業でつくられているのです。

(写真:江戸から続く「押絵羽子板」は昭和60年に東京都の伝統工芸品に指定されました)
(写真:江戸から続く「押絵羽子板」は昭和60年に東京都の伝統工芸品に指定されました)

特徴のひとつが立体的なデザイン。綿を布でくるみ、立体的な絵柄を仕上げることを「押絵」といいます。この技法が羽子板に取り入れられたのは江戸時代の初めごろ。それが江戸時代後期の文化文政期(1804~1830年)になると、歌舞伎役者の舞台姿を写した羽子板が登場。江戸の庶民に人気を博しました。

「押絵羽子板」は歌舞伎の発展とともに発達。その伝統的な技法は今日も受け継がれ、現在も多くの押絵羽子板師たちが活躍しています

2013年の開催は12月17日(日)〜19日(火)

(写真:お店の人の口上や、お客さんとのやりとりを覗くのも醍醐味のひとつ)
(写真:お店の人の口上や、お客さんとのやりとりを覗くのも醍醐味のひとつ)

浅草寺の観音様の「ご縁日」である毎月18日の前後で開催される「羽子板市」。今年は17日から3日間です。

この日から浅草寺では、新年の福徳を祈願した「恵比寿大黒天御影(みえい)」や「縁起小判」も授与されますよ。

(写真:左「恵比寿大黒天御影」、右「縁起小判」)
(写真:左「恵比寿大黒天御影」、右「縁起小判」)

江戸の庶民にも大人気だった歌舞伎の絵柄を始め、話題の社会風刺、時事や人気タレントなどを題材にした変わり種羽子板など、多彩な作品が販売されます。クリスマスムードを楽しむのもいいけれど、今年は美しくにぎやかな「羽子板市」で、年の瀬の訪れを感じてみませんか?

この記事を書いた人/提供メディア

Yuka Niimi

フリーランスのライター、時々編集者。2008年の夏に、浅草3代目へ嫁ぎました。日課はヨガとランニング。好きなものは寺社仏閣と和菓子。浅草から自転車圏内で楽しめる情報を発信できればと思っています。

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