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2014.04.10 (Thu)

写真ギャラリー「RPS」の後藤由美さんが代表を務める「3/11キッズフォトジャーナル」で手帳を販売中!

LwP magazineでは、以前、東向島にある写真ギャラリー「Reminders Photography Stronghold」(以下、RPS)をご紹介しました。写真を展示するだけでなく、各国の著名な写真家や編集者を招いてイベントやワークショップを行っている、意欲的なギャラリーです。

今回は、RPSを運営者している写真キュレーターの後藤由美さんが、2011年から続けているプロジェクト、「3/11キッズフォトジャーナル」をご紹介します。

カメラマンに教わりながら、ふるさとの様子を写真に収めるキッズ記者。(岩手県宮古市赤前/2013年夏)
カメラマンに教わりながら、ふるさとの様子を写真に収めるキッズ記者。
(岩手県宮古市赤前/2013年夏)

海外で関わったプロジェクトの経験を生かし、子どもたちが写真の力を使って「記録」し「発信する」プロジェクトを発足

「3/11キッズフォトジャーナル」は、東日本大震災で被災した東北の子どもたちが、ふるさとの復興の様子や日常の移り変わりを写真と文章で記録し、発信するプロジェクト。震災後すぐの2011年6月に設立されました。

2014年3月11日にキッズ記者が撮影した写真が、続々と事務局に届いています。 「今日は、吉里吉里の海岸に行った時、たくさんの大きな石がありました。海の中にあったそうです。びっくりしました。 だんだん海の中は、きれいになってきてるのかなぁと思いました。」 (2014 3/11キッズフォトジャーナルアサイメント/写真・文:吉里吉里支局 小川留以 11歳)
2014年3月11日にキッズ記者が撮影した写真が、続々と事務局に届いています。
「今日は、吉里吉里の海岸に行った時、たくさんの大きな石がありました。海の中にあったそうです。びっくりしました。だんだん海の中は、きれいになってきてるのかなぁと思いました。」
(2014 3/11キッズフォトジャーナルアサイメント/写真・文:吉里吉里支局 小川留以 11歳)

代表の後藤由美さんは、以前、紛争が絶えなかったインドネシアのアチェ州で、「紛争下の子どもと女性の権利」をテーマにしたメディアキャンペーンプロジェクトに参加しました。あまり知られていない地域について、写真を通して問題意識をもってもらうことの難しさを痛感させられたといいます。

その後、2004年12月にスマトラ沖大地震・インド洋大津波が発生。アチェ州のプロジェクトで、「写真の力を信じてやってきたのに何もできなかった……」と感じていた後藤さんは、今度こそ「写真の力」で現地の様子を伝えることができないかと考えました。

そこで、被災地の子どもたちに写真と文章で外の世界に伝えたいことを記録してもらい、現地の声を外に向かって発信する「InSight Out!」プロジェクトに取り組むことにしました。子どもたちに与えたテーマは、「写真を通して多くの人びとに伝えたいこと」。現実から目を背けず、子どもたちが自分の意思で村に戻り、以前住んでいた家や通っていた学校、避難民キャンプなどの様子を勇気を持って写し出した写真は素晴らしかったそうです。

吉里吉里駅の線路を撮影する、吉里吉里支局の小川留以さんとカメラマンの塩田亮吾さん。 岩手県大槌町吉里吉里の駅は、東日本大震災により営業休止となり、2012年に駅舎が解体されました。 (岩手県大槌町吉里吉里/2013年夏)
吉里吉里駅の線路を撮影する、吉里吉里支局の小川留以さんとカメラマンの塩田亮吾さん。
岩手県大槌町吉里吉里の駅は、東日本大震災により営業休止となり、2012年に駅舎が解体されました。
(岩手県大槌町吉里吉里/2013年夏)

「参加者の一人が こう話してくれました。『写真で記録して残しておきたかった事、そして、自分の思いを写真と文章を通して人びとと共有出来る事、それが嬉しい』と。写真の原点である「記録する事の大切さ」を勇気ある子どもたちの写真が教えてくれたのです。」(3/11キッズフォトジャーナル公式サイトより)

福島での活動の様子。撮った写真を、ジャーナルにまとめていきます。(福島県/2011年秋)
福島での活動の様子。撮った写真を、ジャーナルにまとめていきます。
(福島県/2011年秋)

今年で4年目を迎える3/11キッズフォトジャーナル

2011年3月11日、東日本大震災が発生。自分の生まれた国で起きた未曾有の出来事に衝撃を受けた後藤さんは、「InSight Out!」の経験を活かし、「3/11キッズフォトジャーナル」を発足しました。

「今回の災害を体験した子たちにしか語れないこと、撮れないものがきっとあるはずです。今は思うようにうまく伝えられない子もいるかもしれません。ですが、その思いを伝える準備が出来たときに、自分たちの写真と文章が残っていて良かったと思える日が来ると信じています。」(3/11キッズフォトジャーナル公式サイトより)

岩手・宮城・福島の子どもたちや、様々な写真家、事務局スタッフとともに続けてきたプロジェクトは、今年で4年目を迎えました。

「三年前まで、ガレキがたくさんあった運動公園。今はガレキもすっかりなくなりただの空き地になってしまいました。しかし運動公園と野球場は再び再建築されることに決まったそうです。完成するのはまだ先かもしれませんが、運動公園が完成することで、大会など多くの人が来場し、赤前の活せい化につながります。そして運動公園が完成することで赤前に元気と活気が戻ってくることを期待しています。」 (2014 3/11キッズフォトジャーナルアサイメント/写真・文:赤前支局 佐可野瞬大 13歳)
「三年前まで、ガレキがたくさんあった運動公園。今はガレキもすっかりなくなりただの空き地になってしまいました。しかし運動公園と野球場は再び再建築されることに決まったそうです。完成するのはまだ先かもしれませんが、運動公園が完成することで、大会など多くの人が来場し、赤前の活せい化につながります。そして運動公園が完成することで赤前に元気と活気が戻ってくることを期待しています。」
(2014 3/11キッズフォトジャーナルアサイメント/写真・文:赤前支局 佐可野瞬大 13歳)

「まだまだ復興とはいえない」被災地の様子を子どもたちが自主的に発信

3/11キッズフォトジャーナルに参加する子どもたちは、写真家など大人メンバーから直接アドバイスを受けています。年々、鋭さと深みを増していく写真の内容に、大人メンバーも驚くそう。

子どもたちが撮った写真を使って、2012年は写真新聞を、2013年は手帳を作成しました。それぞれの写真のキャプションも子どもたちが考えています。手帳の購入方法については、この記事の最後に記載していますのでぜひご覧ください!

これが、「3/11キッズフォトジャーナル2014年版写真手帳」です!
これが、「3/11キッズフォトジャーナル2014年版写真手帳」です!

震災から3年が過ぎ、被災地の様子がメディアで取り上げられる機会が少なくなってきています。しかし、「まだまだ復興とはいえない」と感じている子どもたちが多いのが現状です。

3/11キッズフォトジャーナルでは今まで、子どもたちと大人メンバーが共に取材をし、写真記事を発信してきましたが、今年は子どもたちの自主的な発信を目指しています。子どもたちから届いた写真記事は、公式サイトで随時公開される予定なので、ぜひチェックしてみてくださいね!

3/11キッズフォトジャーナル写真新聞は、各国で読まれています。エチオピアの子どもたちにも読まれているんですよ!(写真:Jiro Ose)
3/11キッズフォトジャーナル写真新聞は、各国で読まれています。エチオピアの子どもたちにも読まれているんですよ!
(写真:Jiro Ose)

この記事を書いた人/提供メディア

Yui Sato

東東京のニュースタイルカルチャー研究員。下町の伝統と今風の文化をミックスした作品・商品や、それらを作り出す人々に強く惹かれます。 初めての1人暮らしの地・森下に住み始めて4年。東東京は、深く関わるほど味わい深く、愛着を感じるエリアだと実感する日々を送っています。ふだん書いているのは、ミニシアター系映画の紹介など。夢は、ミニシアターのない東東京で、定期的に映画の上映会を開催すること!

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