ホーム > コラム > お客さまは老舗飲食店と一般家庭。国産大豆にこだわるお豆腐屋さん「市川食品」@浅草<食欲の秋! 料理に役立つお店特集 Vol.3>

2014.10.22 (Wed)

お客さまは老舗飲食店と一般家庭。国産大豆にこだわるお豆腐屋さん「市川食品」@浅草<食欲の秋! 料理に役立つお店特集 Vol.3>

浅草生まれ、浅草育ちのライターRie Tomitaです。秋はおいしいモノがたくさん。作っておいしい、使って楽しい。材料や調理道具・キッチングッズをVol.1からVol.4まで週替わりでお送りします。Vol.4は明治39年創業の豆腐屋さん「市川商品」さんをご紹介します。

明治39年創業、店主の市川敏男さんは3代目。天ぷら屋、蕎麦屋、料亭など近所の飲食店に卸す一方、家庭の主婦も買いに来る、浅草という町ならではの豆腐屋さんです。

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浅草ならではの豆腐屋さん

毎朝4時半頃から仕事をスタート、まずは油揚げから作りはじめます。「昔は朝ごはんに間に合うように、3時頃から作りはじめたものです」と市川さん。大豆を水に漬ける仕込み時間は季節によって変わり、夏季は30~90分、冬季は2~3時間の差があります。また大豆の産地、品種によっても時間の長さが異なります。作る製品によって大豆の配合を変えるので、前日、市川さんが頭の中で、大豆の種類と仕込み時間を計算するそうです。

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水にさらさない人気の<おぼろ豆腐>

原材料の大豆は国産にこだわっています。製品に合わせて、各産地の大豆をブレンドしています。「国産大豆は再加熱するとトロッとなります。ですから、すき焼きとか湯豆腐で、豆腐が固くなってしまったら、材料が国産大豆ではないのかも」(市川さん)。いちばん人気は<おぼろ豆腐>。大豆の豊かな風味が感じられるのは、まったく水にさらしていないため。味だけでなく栄養もギュッと詰まっているわけです。

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浅草の老舗飲食店が代々受け継ぐ味

市川さんの豆腐は、老舗飲食店の料理に代々受け継がれています。たとえば「浅草ビューホテル」の和食レストランでは30年来、料理長が変わっても市川さんの豆腐が受け継がれています。ほかにも、老舗蕎麦店「尾張屋」では、メニューに使うのはもちろん、店にお祀りしているお稲荷さんにお供えするのも市川さんの油揚げなんだそう。

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豆腐はそのまま食べても、和洋中華といろいろな料理の材料としても使える、大変優れた食材です。古来、中国からお寺の雲水を通じて伝わり、江戸中期以降は庶民に欠かせない食べ物となりました。「昔は1つの町会に一軒は風呂屋と豆腐屋がありました」と市川さん。豆腐屋さんは、40年前は台東区内に約100店あったのが、現在は15店にまで減ってしまったそうです。浅草の老舗の味と家庭の食卓のためにも、市川さんにはずっとこの町で頑張ってもらいたいです。

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この記事を書いた人/提供メディア

Rie Tomita

Rie Tomita
東東京・プロジェクト 和文化研究員。10数年間、夫の仕事で東京以外の土地を転々としたのち生まれ育った浅草に戻ってきたので、東東京の魅力、残念な部分を冷静に見られるようになった。和装をはじめ、和文化関係のイベントを自身で主催、発信している。和装履物店 あさくさ辻屋本店の代表。

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