ホーム > インタビュー > 「起業の街、東東京へ」デザビレ鈴木村長の見つめる2015年は女性起業家支援と交流の場づくり<あなたの抱負を聞かせてください!vol.3>

2015.02.03 (Tue)

「起業の街、東東京へ」デザビレ鈴木村長の見つめる2015年は女性起業家支援と交流の場づくり<あなたの抱負を聞かせてください!vol.3>

新年最初の特集は「あなたの抱負を聞かせてください!」。vol.3でご登場いただくのは、台東デザイナーズビレッジの村長(インキュベーションマネジャー)として有名な鈴木淳さん。

日本初のファッション分野のインキュベーション施設としてはじまった台東デザイナーズビレッジは2014年に10周年を迎えました。writtenafterwards (リトゥンアフターワーズ)、HIROCOLEDGE(ヒロコレッジ)、Coquette(コケット)、m+(エムピウ)、SyuRo(シュロ)など活躍する若手クリエイターを次々と送り出してきた鈴木村長の今年の抱負とは!?

旧校舎を活用した創業支援施設「台東デザイナーズビレッジ」

今回は東東京の中でも注目を浴びる鈴木村長の抱負を伺いたいと思います。
まずは鈴木村長の普段の活動をご紹介いたしましょう。

まずは台東デザイナーズビレッジ(以下、デザビレ)。こちらは廃校となった小学校の校舎を活用したファッションとデザインに特化したインキュベーション施設です。
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(デザビレの外観。味のある校舎が若手クリエイターのインキュベーション施設となっています)

2004年よりはじまった本施設では60組近い卒業生を送り出し、有名ブランドの輩出や、卒業生の半数がそのまま台東区に拠点を構えるなど多くの実績を残してきました。この担い手が鈴木村長なのです。
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(モノマチ開催時のデザビレ。クリエイターの商品や作品が廊下に所狭しと並んでいました)

台東区南部のモノづくりを発信する地域イベント「モノマチ」

次にご紹介するのが、いまやのべ10万人近い集客を誇る「モノマチ」。
御徒町、蔵前など台東区南部のモノづくり企業やクリエイターが中心となり、春と秋に3日間ずつ、普段入れない工房やメーカーのショールームなどに訪れ、こだわりのモノづくりを体験・購入できるイベントです。
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(街のいたるところでモノマチの目印となるオレンジ色の旗が立ち、賑やかな3日間です)

鈴木村長は本イベントの発案・立ち上げから第4回開催まで中心人物として活躍されてきました。
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(工房や店舗がモノマチ会期中は特別な催しを開催します)

さて、そんな台東区をモノづくりの街としての認知を高め、クリエイターの活躍を後押ししてきた鈴木村長の2015年の抱負を伺ってきました!!

「あらためて女性の創業をお手伝いしていきたい。」

——今日はお時間をいただきありがとうございます。では早速ですが、今日は鈴木村長の2015年の抱負を教えてください。

まずはプライベートの方の抱負です。今年は「あらためて創業支援にしっかり取り組みたい」と思っています。デザビレに応募してくる方やいろいろな方の相談に乗っているうちに感じていることがあります。

創業者、特にファッション・デザインの関係の人たちは相談に乗ってほしいけれど、どこの商工会議所や支援機関に行っても、どこの専門家に聞いても、機械やIT・ハイテク・小売等の相談にしか乗れる人がおらず、ファッションやデザインの相談に乗ってもらえない状態にあるように思っています。
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(デザビレに掲示されたデザビレ入居者や卒業生がメディア掲載情報、とても沢山!)

男性の仕事の相談に乗れる人はいても、女性が起業しやすいファッションの仕事で相談に乗れるところが少ないので、女性創業者への支援が足りていません。ファッション分野の支援者として、そのお手伝いにも力をいれていきたいと思います。

女性が出産などで会社を辞めても復帰する場が少ない現在、創業は生計を立てるための重要な選択肢になり得ます。

個人的な話ですが、うちは母子家庭だったんです。母親が女手ひとつで育ててくれて、僕も子供の頃お金がなくて苦労したし、母親がずっと自営業で働いているのも見てきたので、シングルマザー含め、女性たちの事業をお手伝いできたらなと思っています。

「東東京のエッジの立った人たちが集まりつながる場づくりを通じ、起業するなら東側という気運をつくりたい」

次はデザビレの村長という立場の抱負ですが、東東京と言っても台東区・墨田区・中央区など各区でバラバラに活動をしています。もっと東東京で力を合わせたら良いのではないかと思っています。

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(モノづくりイベント主催者の集まる会議時の鈴木村長)

これからは地域対抗で人を集めるようになってくると感じていて、東京の西側というと大学が多くその土地に馴染んだ人たちが地域に残ると思います。一方東京の東側は大学など少なく、若い人が少ない状況です。

しかし、東側は家賃も安いですし、モノづくり関連企業も多く新しい事を起こすには環境が良いのかなと思っています。
それでいま考えているのは、エッジのきいた活躍をしている人たちが繋がっていく場をつくることです。

いろいろなスペースや施設を運営している人たちがいるので、それらの施設でイベントを開いていき、そこでは他の区の人たちの話を聞くことができ、交流していくようなことができたらと思っているのです。

東京の西側は、若者の街というのは動かしようのない事実ですから、その部分では競わないですけれど「起業するなら東東京だね」という気運をつくれたらと思っています。

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(交流会のときの鈴木村長。フットワーク軽く様々な場に顔を出されています)

次第に地域性も出して、モノづくりをするなら墨田区、ファッションのことなら台東区のように、各地域性が出てきても面白いように思っています。

そうすると、その次の段階で、インキュベーションをしている人たちが横のつながりをつくり、互いに支援し合うなどのつながりが必要になってくるのだと思います。

——鈴木村長、ありがとうございました!
産業の構造や担い手が少しずつ変わる中で、国内の創業支援の体制が整備されていない分野があり、その中でいち早く鈴木村長が女性起業家支援とファッション・デザイン分野の支援をされようとしていること、大変興味深いお話でした。

また、東東京でエッジのきいた人材の交流の場づくりを通じ、東東京で起業する気運を高めるというお話、こちらは東東京マガジンも同様の思いを持っているので、我々も協働できたらと思っています。読者のみなさん、実現する日、楽しみにしていてくださいね!!

1月特集目次:あなたの抱負を聞かせてください!

<Vol.1前編>下駄がスニーカーみたいにイケてる!浅草の老舗下駄屋四代目 富田里枝さん

<Vol.1後編>下駄がスニーカーみたいにイケてる!浅草の老舗下駄屋四代目 富田里枝さん

<Vol.2前編>未来に希望を抱く子どもが増えるように。夢を追う男・阿部雅龍@台東区浅草

<Vol.2後編>浅草とバンフは“優しい人”が共通点。夢を追う男・阿部雅龍@台東区浅草

この記事を書いた人/提供メディア

Hiroyuki Imamura

東東京マガジン編集長。毎日を旅のような日々を送りたいと思っていたが、たくさんの人と出会い、たくさんの場所へ行く日々はいつの間にか旅のような日常になりつつある。東東京のトピックスで特に関心が強いのは、主宰者の人となりや独自の工夫が反映されたプロジェクト。まちづくり会社ドラマチックの代表社員。

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