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2014.12.05 (Fri)

HAGISO代表・宮崎晃吉さんが谷中をご案内!〈ヒガシトーキョーツーリズムVol.1前編〉

Vol.1は谷中編。谷中は言わずと知れた、観光客が途絶えることのない大人気の街です。この超メジャースポットの案内人に選んだのは、宮崎晃吉さん。 宮崎さんは木造アパートをリノベーションしたカフェ/オルタナティブスペース「HAGISO」の代表として、谷中の街に根差した活動をされています。昔ながらの風景を色濃く残す谷中の街を、定番スポットから地元の人が集うお店まで幅広くご紹介いただきました。それでは、宮崎さん的谷中ツーリズムのはじまりはじまり!

谷中が誇る、リノベーション美術館

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「まずは定番ですが『朝倉彫塑館』。もともとの日本家屋に増築して、天井の高いアトリエを造っています。木造とRCを組み合わせてる構造がおもしろいんですけど、木造の日本家屋をカスタマイズして使っているという意味で興味深いですよね。僕も同様に古い建物を直して使うという活動をしているので、共感できるものがあります」

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国指定の有形文化財にも登録されている朝倉彫塑館。建築家の宮崎さんらしいチョイスです。
実際に行ってみると、増築部分は想像以上に大きく、天井の高いアトリエは圧倒的な空間。日本家屋部分は中庭を囲むように回廊を渡し、そこからいつまでも庭を眺めていたくなるような素敵な住宅です。屋上に上がると、気持ちのいい秋晴れの空が広がっていました。
ビッグなミュージアムがひしめき合う台東区において、こちらは比較的マイナーな館。正直なところ、これほど素晴らしい美術館だとは思っていませんでした。出端から度肝を抜かれてしまいました。

川の面影を残す道

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「『へび道』もいいですね。蕎麦屋さんとか古本屋さんとか、住宅街の中にポツポツとあって、歩いていておもしろいし飲み食いもできる。もともと藍染川という川を暗渠にしているから、クネクネと曲がっていてまさに蛇のようです。すぐに完売してしまうベーグル店『旅ベーグル』さんもこの道沿いにあります」

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「『旅ベーグル』さんのすぐ近くには『爬虫類両生類研究所8 喫茶 分室』があり、芸大の先輩である中西道也さんが内装を担当されています。中西さんは谷中だけじゃなくて、墨田エリアでもよく仕事をしていますよね。『ここはもしかして……』と思うところはたいていそうで、見るとわかります。異常に手が込んでいるから(笑)」

浅草の山谷堀公園や原宿のキャットストリートなど、かつて川だったところはどこか往事の雰囲気を残しているものですが、「へび道」も同様で、歩いていると川が流れていた時の想像がふくらんできます。谷中から根津方面に抜ける時はぜひ歩きたい道です。

屋上にラクダ?

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「『HIGURE 17-15 cas』もぜひ見てほしいです。美術施行会社・東京スタデオの社長さんが経営されているギャラリーで、主に現代美術を扱っていて、学生を含めた若いアーティストの展示を多く行っています。若手を盛り上げようと活動をされていますね」

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夕やけだんだんを降りて右に折れ、少し歩くと屋上にオレンジ色のラクダが鎮座したビルが見えてきます。そこが「HIGURE 17-15 cas」。ちょうど東京スタデオ社長の小澤さんが在廊していてお話をうかがうことができました。

宮崎さんとのなれそめについては、
「1Fでは毎週のように、場合によっては毎日、夜は宴会が行われていまして(笑)。そこに宮崎さんが来ていたことが出会いでした。ギャラリーの運営については、東京芸大や美学校の先生がディレクションするかたちを取って、学生や個人に開放しています」

開放というと、無料でしょうか?
「そうです。若い人がギャラリーを借りようとするとかなりの出費になるので。審査は行いますが、DMやパーティー費以外は取っていません」

このスタンスは若いアーティストへの支援として、この上ない方法なのかもしれません。宴会に訪れる人はアート関係とは限らず、年代や職種を超えた交流の場となっているようです。
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テラスから顔を出す小澤社長。開放感が気持ちいいテラスですが、実際に立ってみると足がすくみます……

後編では谷中の「食」にスポットを当てて紹介します!

12月特集:ヒガシトーキョーツーリズム目次


〈Vol.1「谷中編」前編〉HAGISO代表・宮崎晃吉さんが谷中をご案内!
〈Vol.1「谷中編」後編〉HAGISO代表・宮崎晃吉さんが谷中をご案内!
〈Vol.2「浅草編」後編〉地元民が案内する浅草 by 今村ひろゆき
〈Vol.2「浅草編」後編〉地元民が案内する浅草 by 今村ひろゆき
〈Vol.3「墨田編」前編〉すみだ川ものコト市代表 三田大介さんが大好きな墨田をご紹介!

この記事を書いた人/提供メディア

本多 祐介

ローカルシティー研究員。地方都市のこれからの姿に興味津々。東東京も地方都市のひとつととらえると、今まで見えなかったものが浮かび上がってくると思います。古と新しさが同居するこのエリアに深く関わって魅力を伝えていきたいです。モノ好き、山好き、ビール好き。

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