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2015.02.16 (Mon)

スカイツリーに恋してる!写真家 石川明宏さん<恋におちる vol.2 後編>

2月といえば、バレンタイン。それにちなんで2月の東東京マガジンの特集は「恋に落ちる。」をテーマとします。

恋といっても、今回の恋は男女の甘酸っぱい恋ではなくて、ユニークな視点で色々な物や事にのめり込んでいる偏愛(=恋している)を持つ方々を取り上げたいと思っています。

何かをとてつもなく好き・のめり込むということは、情報が氾濫しトレンドがどんどん移り変わる現代において、心のよりどころにもなりえ、自分のアイデンティティを感じる必要な能力のように感じます。

今回の特集では取材させていただく方々の恋がどんな恋なのか、どんなキッカケでその恋がはじまったのか、恋するためのヒントなどを様々な4組に伺っていき、読者に自分らしい生き方のヒントをご提供できればと思っています。

Vol.2は「スカイツリー」に恋してる、と題して、写真家の石川明宏さんをご紹介。上の24枚の写真は、すべて石川さんが撮影したスカイツリーのある風景です。開業前から現在に至るまで約3年にわたり、春夏秋冬、四季折々のスカイツリーを継続して撮影。その活動が目に止まり、墨田区で写真展を開催するに至った「スカイツリーの人」石川さん。その素顔に迫ってきました。

スカイツリー + 下町・空・花・生物・そこに暮らす人の息遣い。

撮影しているときに気づく「東京」とはどんなところでしょうか?

「スカイツリーを撮っていると、そこに一緒に写るものに目がいくようになりました。花と写すと女性的に、ビルと写すと近未来的に、下町と写すと懐かしい感じに、神社と写すとどこか和風な雰囲気になるんですよね。それからスカイツリーを撮り続けることで、一緒に写る空の色の変化や季節の移り変わりも感じられるようになりました。

東京にもこんな自然や、生き物がいる意外な一面があるんだよ、ということが、未来の日本人にも、今の東京の人にも海外の人にも、写真で伝えられたら嬉しいですね。」

そう語る石川さんに、今まで撮影されてきた写真の中でも特にお気に入りの3枚を、コメントを添えて教えて頂きました。 ishikawa-san-best3
左:『Tokyo In The Rain』 雨と共に生きるのが日本人。「涙雨」など…雨に関係する日本語は、400種類以上あると聞いたことがあります。スカイツリーという“人工”のものを追い求めていると、“自然”の美しさに気づかされます。この写真は、2月11日(祝)から2月22日(日)まで、横浜みなとみらい・サブウェイギャラリーMに展示されています。

中:『赤い鳥居と、スカイツリー』 墨田区向島・三囲神社の境内。“懐かしいもの” と “新しいもの” が隣り合わせ。東京らしさを感じられて、私の大好きな風景です。向島界隈は歴史あるお寺や和菓子屋さんがあり、散策するのがとっても楽しいところです。

右:『スカイツリーと、ハトの “愛のキス”』 東京で出会う、多様な生命の力強く生きる風景。生命=Life。風景=Scape。これらの言葉を組み合わせて、Tokyo Lifescape(東京ライフスケープ)という言葉を造りました。私が探求しているテーマの一つです。

墨田区から声がかかり、写真展も開催。次のステップは?

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【写真:墨田区観光協会には、複数の人が撮ったスカイツリーの写真をスカイツリーと雲の形に貼った作品が。】

昨年末はスカイツリーのふもとにある墨田区観光協会で写真展を開催し、約1400人もの人が訪れたそう。開催するに至ったきっかけは?

「墨田区観光協会さんが、スカイツリーの開業2周年を記念して、スカイツリーの写真をGoogle+上で募集しました。そこに、私もスカイツリーの写真を投稿したのです。観光協会の方がその写真を見て下さり、作品を展示しませんか、というお話を頂きました。」

その出会いに感謝して、墨田区観光協会には写真展が終了した今もひとつの作品が残されていました。

「来てくださったみなさんにも、観光協会の周りに足を運んでスカイツリーの写真を撮ってもらい、その写真をGoogle+にアップロードするように呼びかけたら、嬉しいことにたくさんの写真が集まりました。今度はその写真を僕が一枚一枚プリントして、スカイツリーと雲の形に壁に貼って、一つの作品にしたのです。」

スカイツリーから生まれた繋がりが、今度は、また新たな一つの作品に。3.11をきっかけに芽生えた「スカイツリーを軸にした愛」の小さな芽が、いまもぐんぐんと育っているのを感じます。

今後はどんな「スカイツリーとの未来」をお考えなのでしょうか?

「今後もスカイツリーが縁で生まれた繋がりを大事にしたいと思います。現在は墨田区観光協会さんの「すみだ観光ガイド」という企画でスカイツリーのビューポイントを紹介したりしていますし、これからも、これが縁で繋がった方たちとさまざまな企画に関われたらと思っています。」

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【写真:昨年開催された写真展のチラシと、展示した作品を残したフォトブック。】

今までも石川さんの「スカイツリー愛」は、きっとご本人も想像していなかったような不思議で素敵な出会いと繋がりの軌跡を辿ってきたはず。そしてこれからもきっと。そんなとても温かく、わくわくするような気持ちになるインタビューでした。

2月特集:恋におちる

<Vol.2 前編>スカイツリーに恋してる!写真家 石川明宏さん

<Vol.1前編>文字に思いを込める 活版印刷工房 FIRST UNIVERSAL PRESS@台東区

<Vol.1後編>文字に思いを込める 活版印刷工房 FIRST UNIVERSAL PRESS@台東区

この記事を書いた人/提供メディア

しろ (SYRUS)

地元下町文化をこよなく愛する、チームSYRUSのしろい方。老若男女みんながみんな細い糸でつながっているような気がする不思議な人の繋がりに魅せられてはや○十年。もう移住できません!!

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