2015.06.05 (Fri)
老舗料亭の若旦那に聞く「浅草ファミリーコース」<家族団らんー家族で遊びにいく東東京 Vol.2後編>
5月になり、随分と気候が良くなりましたね。梅雨に入るまでのこの天気とちょうど良い湿度がずっと続けば良いのに!と思っている方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか。
東東京マガジンではそんな陽気の良いこの時期にあわせて、東東京にお住まいのご家族3組に、家族団らんで遊びにいくおすすめのスポットを教えてもらいました。
vol.2で登場するのは、浅草の老舗料亭「都鳥」の若旦那・河村英朗さんとそのご家族。前編では浅草を満喫できるファミリーコースを教えてもらいました。後編では、東東京で子育てをする魅力などを伺っていきます。
日本の伝統文化に触れてほしい
――英朗さんは浅草生まれ浅草育ちですよね。前回ご紹介いただいたスポットは、ご自身も子どもの頃に遊びにいったのでしょうか?
英朗さん 幼稚園生くらいの頃は行くとしても浅草寺までですね。やっぱり観音裏でよく遊んでいました。地元の子たちと遊んだりもするけど、見番(芸者さんの事務所)に行ってヤクルトもらったり、とある料亭さんの池の金魚に餌をやりに行ったり、先代の都鳥の女将さんにお菓子もらいに行ったりして日常を過ごしてました。
――なんて粋な子どもなんでしょう。お子さんたちも、都鳥に出入りしたりするんですか?芸者さんに憧れたりとか。
英朗さん 店にはちょくちょく立ち寄っていますね。ただ、まだ小さいから料亭のことはよくわかっていないと思います。芸者さんは自分たちにとって日常なので憧れとかは抱かないんじゃないかな。子どもながらに綺麗だね〜とか言ってますけど(笑) でも、紗羅には来年から踊りのお稽古をつけようと思っています。本人次第ですけど、個人的には芸者さんになって欲しいし、そうでなくても何らかの芸事には通じていてほしくて。
日常生活でも、抹茶を飲ませてみたり、お絵描きするとき筆を使わせてみたりしています。いま、普通に暮らしていると、日本的なものに触れることってあんまりないでしょう?花柳界に身を置く者として、意識して子ども達に日本の文化に触れる機会をつくりたいと思っています。
――素敵ですね!三社祭などにも参加するんですか?
英朗さん もちろん!神輿も担がせますよ。山車の上に乗って、お囃子を叩いたりもします。
――最近はお祭りが途絶えてしまった地域も増えていますが、家族でお祭りに参加するのって、すごく思い出に残りますよね。
英朗さん そうですね。お祭りの思い出は沢山あります。そういう行事が沢山あるのも浅草の特徴だと思いますけど、浅草って住む人も良い意味で古風な人が多いというか、文化を大事にしようという人が多いまちなんじゃないでしょうか。
浅草寺を中心に歴史ある建物があったりお祭りがあったり、浅草寺を抜けると花柳界があったり。まぁ、若いころは正直言うと花柳界に対して「なんだか色々と難しそうなところだな〜」と思っていましたけど(笑) しかも男だからこの世界で仕事することはないだろうなぁって。なおかつおもいっきり海外にかぶれてたし。
でも、前職のホステルで働いていたときに海外の人たちと接して考えがガラッと変わりました。自分が当たり前だと思っていたものの魅力や重要性に改めて気づかされて、やっぱりこの素晴らしい文化を残すためには店を継がなきゃなって思うようになったんです。いまでは「なんだか色々難しそうだなぁ〜」と思っていたことも理解できるし、すごく重要なことだったんだなって思えています。
――外の視点から見てはじめて、生まれ育った地域の魅力がわかるっていうことは、多々ありますよね。
英朗さん そうですね〜。昔は自分の足元がぜんぜん見えてませんでした。外の人じゃないと考えつかないような視点を旅行者の方々から沢山教えてもらいました。テレビでときどき海外の人に日本の良さを語ってもらう番組とかやってますけど、まさにあれ状態。
いま、浅草にはどんどん観光客が増えていますよね。道ばたでも気軽に海外の人と話せる環境になってきました。子どもたちにも、この地の利を生かして色々な人と接して成長してほしいですね。
――最後に、東東京で子育てすることの魅力について教えてください。
英朗さん 人との距離が近いことですね。公園に行ったら同い年くらいの子どもがいて、その親御さんと仲良くなって行き来が生まれたり。あと、自分は機会に恵まれなかったけど、町会に入っていると地元のネットワークが強くなります。
まぁ、なんといっても下町の人は良い意味でおせっかいな人が多いと思うので(笑)、何か困ったらみんな手助けしてくれるんじゃないかな。そういうのが苦にならない人にとっては、安心して子育てできる良い地域だと思います。
※ ※ ※
浅草のような下町人情溢れる地域では、昔ながらの「地域で子どもを育てる」感覚がまだ残っているようですね。まちなかを歩くだけで日本の伝統文化に触れられるところもいいなと思いました。
英朗さん、玲さん、紗羅ちゃん、英秀くん、ご協力ありがとうございました!