2015.06.15 (Mon)
デジタル時代の子どもに創造力を。NPO法人CANVASがつくる社会の変化って?<東東京発!社会を変える人たち Vol.1前編>
東東京というと”下町“、“赤ちょうちん”、“お祭り”などイメージは強いし、確かに魅力があります。ですが、クールなデザインや社会を変える新しいムーブメントが生み出されていることをお伝えすることも“いま”の東東京を知っていただくには欠かせない要素となっています。
今回はその後者の「社会を変えうるパワーを持ち、活発な活動をしている方々」を紹介していきたいと思います。題して「東東京発!社会を変える人たち」シリーズ。
Vol.1は、子どもたちのために、創造力、表現力、コミュニケーション力を育む場所を提供するさまざまな活動を行うNPO法人「CANVAS」が登場。2002年の設立から多彩な子ども向けワークショップを中心とした活動を展開してきたCANVAS。13年目をむかえ、何を成し遂げ、また何を目指しているのかを、CANVASの宮本充さんに伺いました。
様々な人々と連携し、デジタル時代の子どものための「遊びと学びの場を」、もっと身近に
――まずは、CANVASの活動についてお伺いします。
宮本さん CANVASは子どもたちの創造力、表現力やコミュニケーション力を育むような活動を産官学連携の元、推進しています。
具体的には、子どもたちが自分で感じ・考え・表現し・伝える。そんなワークショップやイベント、教材、ウェブサイトやアプリ等をプロデュースしたり。 自分が生まれた頃と比べると、今は随分と環境が変わりました。スマホ・タブレットを片手に情報を収集し、写真や映像を通じて感情を伝え、コミュニケーションする。世界中の人と一瞬でつながることも簡単にできたりしちゃう。デジタルの力はすごいですよね。
CANVASはこれからの時代を担う子どもたちの、デジタル時代の遊びと学びの環境を整えているんです。子どもたちがフルスイングできる環境を整えよう!という想いの元、様々な大人がつながるプラットフォームとなっています。
――いろんな人と連携してワークショップを作るってどういうことですか?
宮本さん 活動をはじめた当初は、保護者の方から『ワークショップ? 何が買えるんですか?』と言われることもしばしば(笑)。
『ワークショップ』が子どもたちの新しい学びの場、体験の場として認知されていなかったんです。 造形・工作、サイエンス、音楽、身体表現、デジタル…これまで、様々なワークショップを企画・実施してきました。メンバーで意見を交わしながら、クリエイターさんと連携をしながら、 子どもたちが主体的につくりだす、そんなたくさんのワークショップを作り実践してきました。
現在では『子どもたちの場をつくりたい』『子どもたちと一緒に活動をしたい』 そんな想いをもった企業さん、行政、大学の研究室や商業施設など、幅広くお声がけを頂き、こどもたちとともにつくりあげる、様々なプロジェクトをご一緒しています。
――例えば、企業さんとの取り組みにはどんなものがありますか?
宮本さん 例えば、2013年のプロジェクトとしてTOYOTAさんと組んだ『エスティマ ドリームリレー・ムービー』では、WEBサイトに全国から集まった『絵』や『セリフ』を、全国5カ所で開催されたワークショップに参加する子どもたちとクリエイターがコラボレーションし、1つのストーリーに編み上げていきました。
2012年には吉本興業さんとお笑いを通じてコミュニケーション力を育むプロジェクトとして『おもしろかし子大作戦』がはじまりました。おもしろくてかしこい子、かしこくておもしろい子を育てよう!と。プロの芸人さんと一緒にコントを作ってみたり、CANVASが開発したワークショップをプロの芸人さんが実際に実施しました。
過去には『子どもたちに誇れるしごとを』のスローガンで有名な清水建設さんのCM体現するCMをつくるため、実際に子どもたちがワークショップを通じて大きな建物を1日がかりで作り上げました。その様子を撮影、CM化したりもしました。
この13年間、子どもたちの創造の場をひろげる活動の幅をぐんぐんと広げてきたCANVAS。後編では、「東東京」での活動について、そしてCANVASが目指す未来について、詳しく伺います。